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日本のシニア人材、中国に…技術流出の懸念も
中国で、日本から現役を退いた技術者などの「シニア人材」を雇い入れ、地元の産業基盤強化に
つなげようとする試みが始まっている。日本の団塊世代の大量退職もにらみ、日本の製造業で
培われた高度な“職人技”を地元へ導入するのが狙いだ。ただ、日本の特許技術が流出する懸念も
くすぶる。
(中国遼寧省・大連で、末続哲也)
遼寧省の大連市当局は今年5月下旬、市内のホテルで、日本の高齢の技術者ら約140人や
地元企業約160社が参加した、日本のシニア人材向けの初の就職説明会を開いた。
工作機械の設計専門家を雇うため、月給約70万円を提示した中国企業もある。日本からの
参加を促そうと、大連市当局も、契約成立時には旅費を無料にするなど、特典を用意した。
説明会に参加した横浜市の鉄道車両工学専門家の田中宏さん(71)は、「せっかくある自分の
技術を、どこかで活用したい」と動機を説明した。
中国にとって、引退後の生きがいを「海外での社会貢献」に求める日本のシニア技術者たちは、
願ってもない存在だ。日本のシニア技術者を招請する動きは近年、山東省や湖北省荊州市など各地
で目につく。中国当局によると、中国で働く外国の技術者ら専門家は年間延べ約34万人で、うち
約10万人が日本人という。
ただ、中国では、知的財産権への配慮が低い企業も多い。海外からの技術者に特許技術を教える
よう強要するケースが尽きないと言われる。日本側の関係者は「教えられる基礎技術と、教えられ
ない先端技術を、どう線引きするかが課題だ」と話している。
(2007年7月10日 読売新聞)
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