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盧溝橋事件70年―もう一歩、踏み出す勇気を
ちょうど70年前の1937年7月7日、北京郊外の川にかかる橋の近くで
発砲事件が起きた。盧溝橋事件である。この争いをきっかけに日中戦争は
拡大の一途をたどり、太平洋戦争を経て、日本は敗戦を迎える。
いまも盧溝橋は健在だ。建造されたのは12世紀と言われる。当時のものが
どこまで残っているのかは分からないが、重厚な石造りや欄干に並ぶ獅子像は
長い歴史を思わせる。
そのほとりの村に、抗日戦争記念館がある。事件をはじめ日中戦争の
歴史についての展示が並んでいる。先生に連れられた子どもたちや
人民解放軍の兵士たちが学習に訪れる。時折、日本からの観光客も足を延ばす。
■日中戦争の「起点」
「七七事変」。盧溝橋事件を中国ではこう呼ぶ。満州事変が起きた9月18日と
並んで、7月7日は民族屈辱の日として記憶されている。その後、45年まで続く
悲惨な日中戦争の起点との認識だ。
いま多くの日本人が戦争を振り返る時、思い浮かべるのは真珠湾攻撃の
12月8日であり、敗戦の8月15日だろう。中国人にとって今日という日は、
それに匹敵する記憶を呼び起こす。七夕を祝う日本とは大違いだ。
その日に、私たちがこの社説を掲げるのは、この1年が日中両国にとって
特別の意味を持つと考えたからだ。
盧溝橋事件から70年、そして12月の南京大虐殺からも70年。中国や米国で
最近、南京大虐殺などの映画がいくつも作られている。米議会では、旧日本軍の
慰安婦問題をめぐる決議案が本会議でも可決されようとしている。好むと
好まざるとにかかわらず、今年は歴史と向き合わざるを得ない年なのだ。
>>2に続く
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