07/07/05 13:48:18 /53d78X4
あるところに、パン屋さんで働いてる女性がいました。
そのお店には、朝になるといつも前日の売れ残りの、硬いパン一切れを買いに来る
身なりの貧しい青年がいました。
毎日毎日、一切れだけのパン。
そして、冬になり寒さも厳しくなった頃、
いつものように彼はやってきました。
寒そうに薄いコートの襟を立てて、今日もいつもどおり一切れのパン。
そんな姿を見ていて、彼女は思いました。
彼はきっと、バターすら買う余裕も無い、必死に一日一切れのパンでがんばっているのだ、と。
その日、実は彼女はこっそり中にバターを塗ってあるパンを用意してありました。
そして、彼に気づかれないようにそっと取替えて彼に手渡しました。
(今頃あの人は気づいてるかな?
そっと塗ってあげたバターに、
驚いてるんじゃないかな、 喜んでくれてるんじゃないかな。
そして私の事も・・・うふふ・・・)
終わり