07/07/02 12:22:30
三星(サムスン)グループが事実上の非常事態を宣言した。
リストラの可能性も予告した。国内総生産の17%を占める三星が危機感を感じていることを
対内外に明らかにしたのだ。三星は半導体価格の下落、石油価格高騰とともに為替レートを難
題の主犯に挙げた。財界関係者は「1年10兆ウォンの純利益を出す三星がこんな状態なら他
のグループの経験する苦痛は言うまでもない」と話す。
企業は最大の難題としてウォン高を上げる。石油価格高騰は世界共通の現象だが、韓国の
ウォンだけ非正常的にウォン高を続けているからだ。2004年初めから今日までウォン-ドルレ
ートは20%、ウォン-円レートは30%以上落ちた。
◆損害被りながら輸出=産業資源部によるとウォン-円レート下落が本格的に始まった2005
年1月から今年1月まで、韓国製品の輸出単価は0.8%上がったが、日本製品の輸出単価は
1%落ちた。韓国の主力輸出品である乗用車(2000cc基準)の場合、日本産製品の価格は同
期間1万8500ドル台を維持したが、韓国産は1万6358ドルから1万8795ドルとむしろ日本産
より高くなった。
輸出保険公社が調査した輸出企業の損益分岐点為替は大企業は1ドル当たり928ウォン、中
小企業は951ウォンだ。週末の為替レートは1ドル当たり923.8ウォンだ。これにより中小企業
が主導する生活用品、繊維類の輸出は2005年と2006年連続平均8.5%ずつ減った(韓国銀行)。
それほど限界に達した中小企業が輸出物量を減らすという意味だ。
為替レートの圧迫で収益性も悪くなった。現代経済研究所によれば輸出物量は1990年以後、
年平均14.2%増加しているが、営業マージンは2000年8.26%から昨年4.9%と半分になっ
た。ある貿易会社代表は「普通輸出は6カ月前に注文を受けて船積みするのでウォン為替が急
落した今年の上半期にはほとんど全業種で損害を受けたのを知って輸出した」と話した。
◆円安の方がつらい=輸出企業は世界市場で相当品目が日本製品と熾烈に競合する。
そのためウォン-円レートが下がれば価格競争のため価格を下げる傾向があった。しかし最近
違う形を見せている。三星電子は最近、米国オンラインショッピングモールアマゾンドットコムに
46インチLCDTVを2300ドルで販売した。ソニ-の競争製品(2250ドル)より高い価格だ。
三星電子北米マーケティング関係者は「製品競争力があると判断するから収益性を合わせるた
めにむしろ価格を上げた」と話した。ある機械企業関係者は「三星のようにブランド認知度がある
場合は日本と正面対決ができるが、中小企業は事情が違う」と話す。水原(スウォン)にある中小
企業W社の社長は「このごろ日本製品が安いといって取引先を変えるバイヤーが増え、輸出が
ほとんど絶たれた状態」とし「あるバイヤーが価格を日本水準にしてくれれば購入するとしたが、
価格を合わせることができなかった」と話した。最近、貿易協会が776企業を対象と調査した調査
によれば88.2%の企業が今年の事業計画を立てる際、ウォン―円為替を760ウォン以上に合わ
せた。しかし先月29日現在、円は740ウォン台に落ちた。
◆過去良かった輸出実績が負担に=「為替レートが良かった時期、輸出をあまりにしすぎたこと
が輸出業界にブーメランになっている」ハンセ貿易イム・スンジョン理事の言葉だ。2~3年前の輸
出好調で輸出金融限度が増え、企業は金融限度まで注文を受けて金を借り、輸出品を作った。
今は生産した輸出品を積むことすらできず、損害を被りながら輸出するほかないという説明だ。
工場設備を増やした企業も苦しい。電子回路基板企業であるS社関係者は「主に日本と東南アジ
アに輸出したが、今は日本輸出を断念した」とし「工場を建てることができず、稼働はしているが、
レートが上がるよう祈っている」と言った。韓国輸出企業は国際通貨危機以後、高い為替により国
外市場を大きく育てた。現代(ヒョンデ)自動車、三星電子、LG電子など国内ブランドが国外で競争
力を持てるようになったのも有利な為替レートによって価格競争が可能だったからだ。しかし今は
為替レートが下がり、あちこちで破裂音を出し始めている。
URLリンク(japanese.joins.com)