07/06/27 12:56:23 YIoGDEKs
【正論】評論家・西尾幹二 慰安婦問題謝罪は安倍政権に致命傷 2
≪「保守の星」安倍氏の誤算≫
米中握手の時代に入り、資本の論理が優先し、何者かが背後で日本の政治を操っているの
ではないか。
首相になる前の靖国4月参拝も、なってからの河野談話の踏襲も、米中両国の顔色を見た
計画的行動で、うかつでも失言でもない。しかるに保守言論界から明確な批判の声は上がらな
かった。「保守の星」安倍氏であるがゆえに、期待が裏切られても「7月参院選が過ぎれば本格
政権になる」「今は臥薪嘗胆(がしんしょうたん)だ」といい、米議会でのホンダ議員による慰安婦
謝罪決議案が出て、安倍氏が迷走し、取り返しのつかない失態を演じているのに「次の人が
いない」「官邸のスタッフが無能なせいだ」とかわいい坊やを守るようにひたすら庇(かば)うのも、
ブレーンと称する保守言論界が政権べったりで、言論人として精神が独立していないからである。
考えてもみてほしい。首相の開口一番の河野談話踏襲は得意の計画発言だったが、国内
はだませても、中国サイドはしっかり見ていて安倍くみしやすしと判断し、米議会利用のホンダ
決議案へとつながった。安倍氏の誤算である。しかも米国マスコミに火がついての追撃は誤算
を超えて、国難ですらある。
最初に首相のなすべきは「日本軍が20万人の女性に性奴隷を強要した事実はない」と明確
に、後からつけ入れられる余地のない言葉で宣言し、河野衆議院議長更迭へ動き出すことで
あった。
しかるに「狭義の強制と広義の強制の区別」というような、再び国内向けにしか通じない用語を
用い、「米議会で決議がなされても謝罪はしない」などと強がったかと思うと、翌日には「謝罪」の
意を表明するなど、オドオド右顧左眄(さべん)する姿勢は国民としては見るに耐えられなかった。
そしてついに訪米前の4月21日に米誌「ニューズウィーク」のインタビューに答えて、首相は
河野談話よりむしろはっきり軍の関与を含め日本に強制した責任があった、と後戻りできない
謝罪発言まで公言した。
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