07/06/13 07:57:36 株 BE:118905252-DIA(109114)
日本とモンゴルの交流が盛んになるなか、モンゴル留学生や日本の著名人が「蒙古」という言葉の使用を
やめるよう呼びかけている。「蒙古」には「無知で古臭い」といった意味があるためで、大相撲のモンゴル力士たちも
支援している。
このほどモンゴル留学生会などが主催する祭典「ハワリンバヤル2007」が開かれた都内の会場で、「私たちは
モンゴルを蒙古と呼びません」というパンフレット(意見広告)が来場者に配布された。両国の賛同者による合同
声明の形で意見を掲載。大相撲の安馬も賛同の署名を行った。
「蒙古」には「無知で古臭い」という意味のほか、「暗い、覆いかぶせる」という内容があるという。東京外大
モンゴル語学科教授で日本モンゴル学会理事の二木博史さんは「蒙古という呼び名は漢民族ができるだけ
野蛮な表記にしようとしてできた言葉。モンゴル人を蔑視(べっし)している。原則的に民族名や言語の名前は
カタカナ表記にすべきだと思う」と訴える。
日本人の「蒙古」という呼び名は鎌倉時代から始まったといわれる。かつて大阪外大は蒙古語学科を設けていたが、
1962年にモンゴル語学科に変更した。NHKでは2001年3月14日放映の「その時歴史は動いた」で、蒙古は
差別的な意味を持つとして「蒙古襲来」を「モンゴル襲来」として放送した。
しかし、現在でも多くの大学や団体などで「蒙古語」と呼ばれ、「日蒙辞典」や「訪蒙」として使われているケースも
目立つ。中学、高校の歴史教科書には元寇の「蒙古襲来」の表記が残り、赤ちゃんのお尻をさす「蒙古斑」も
使われている。関係者は史実や慣例語は基本的には問題にしない方針で、できれば使わないでほしいという姿勢だ。
ただ、この運動を難しくしている問題が存在する。中国への配慮だ。中国は少数民族としての蒙古族と行政区としての
内蒙古自治区を有する。中国では当たり前のように「蒙古(モング)」と呼ぶ。蒙古の名前がついた製品もある。
モンゴル留学生たちは「呼び方変更運動は決して政治的なものではない。民族主義的な発想でもない」として
中国を刺激することを避けようとしている。
日本モンゴル協会長で早大の吉田順一教授は「中国には蒙古を使わないでという要望はできません。日本人への
啓蒙という意味で静かに運動していくつもりです」と話している。(露久保孝一)
ソース:
URLリンク(www.iza.ne.jp)