07/06/06 14:40:55
さーて、面白い話題が出てきたので久しぶりにいろいろな資料を
まず第147回国会における第53号質問主意書(福島瑞穂氏提出)より
第三 個別の人権問題についての勧告事項及びそれに対する政府等の対応について
七 定住外国人と再入国許可
最終見解は、第一八項において、第二、第三世代の永住外国人や日本にその生活の基盤を置く外国人に対しても、
法務大臣の裁量による再入国許可制度を適用する出入国管理及び難民認定法(以下「出入国管理法」という。)二六条は、
これらの外国人の「いずれの国からも離れる権利」及び「自国に戻る権利」(自由権規約一二条二項及び同条四項)を
侵害するものであり、規約違反であるとした。今後、我が国に生活の本拠をもつ外国人について再入国許可制度を
見直すつもりはないのか。特に、第一八項で強く要請されている特別永住外国人については、早急に廃止すべきであると考えるが、どうか。
また、私が、一九九九年五月一三日の参議院法務委員会で、この規約人権委員会の規約解釈に従って永住者の再入国を権利として
認めると実社会上何か問題が生じるのか、と質問したのに対し、竹中入国管理局長は、全体の入管の仕組みの中で再入国許可制度が
必要だからとっている、と答弁した。さらに、同月六日、大森礼子議員が同種の質問を行ったときにも、陣内法務大臣は、
「出入国管理法に基づいてこの再入国許可制度は維持されなければならない」と答弁している。これらの答弁は、出入国管理制度という
行政上の制度や出入国管理法という国内法を根拠に、自由権規約の不履行を正当化するものであり、条約法に関するウィーン条約二七条に
違反する答弁だと思うが、どうか。
URLリンク(www.sangiin.go.jp)
これに対する回答として
第三の七について
(前略)
再入国許可制度は、永住者及び特別永住者を含め、我が国に在留する外国人の出国それ自体を制限するものではなく、また、B規約第十二条4の
「自国」については、文理解釈及びその審議経緯から国籍国を指すものと解しているので、同制度は、B規約第十二条2及び4のいずれにも
違反するものではないと考えている。御指摘の参議院法務委員会における答弁は、「出入国管理制度という行政上の制度や出入国管理法という
国内法を根拠に、自由権規約の不履行を正当化する」ものではなく、そもそも再入国許可制度はB規約に違反するものではないという右のような
考えに立ったものであり、条約法に関するウィーン条約(昭和五十六年条約第十六号)第二十七条との関係で問題となるものではないと考えている。
URLリンク(www.sangiin.go.jp)
さて、つぎに森川キャサリーン事件の第一審判決(東京地判昭61年3月26日判時1186号9頁)を見ると
同条(注:国際人権規約B規約十二条のこと)二項が、『すべての者は、いずれの国(自国を含む。)からも自由に離れることができる。』として、
自国民及び外国人の出国の自由を規定しているのに対し、同条四項は文言上自国民のみの入国の自由を保障していること、国際慣習法上外国人には
入国の自由が認められていないことからすると、同項の『自国』の解釈としては、戸籍というような統一籍を備えていない国はともかくとして、
我が国のように国籍・戸籍という統一籍を備えている国においては、『国籍国』を意味するものと解さざるを得ないから、右条項を根拠として、
在留外国人に再入国の自由が憲法上保障されているものとすることはできない。
としているので民潭の主張は日本国の行政および司法の解釈とは相容れません
以上、終わり