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李栄薫ソウル大教授インタビュー(1/4)
「韓国人の歴史意識は観念的かつ道徳的であり、見解の異なる者との対立を自ら望む傾向にある。
また政治指導者らは、大韓民国が何かの間違いで建国された国だと考えているようだ。金大中(キ
ム・デジュン)政権が第2建国委員会を発足させたことや、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が韓国近現
代史を“正義が敗北し、機会主義がはびこった”時代と規定したことだけを見てもそれは明らかだ。
こうした間違った歴史意識は社会や国家を分裂させ、韓国の先進国入りを難しくしている」
ソウル大経済学部の李栄薫(イ・ヨンフン)教授(56)は、今週出版される『大韓民国の話』(キパラン
出版社)を通じて再び口を開き、序文にこう記した。
「いつからか文章を書く際に自分で検閲をするようになった。だが、真の検閲者は韓国の暴力的民
族主義だ。これにやられた人は、謝罪や引退、または逃亡に追い込まれるほかない」
李栄薫教授は大学の中だけで過ごしてきた「書生」だった。その教授が2004年にテレビ討論に出演
したところ、世論の集中砲火を浴びた。「慰安婦動員に協力した(韓国人の)民間人らの責任も追及
すべき」と主張したつもりが、「日本軍性奴隷は公娼制度の一形態だった」と主張したかのように伝え
られたためだ。
また昨年12月に「教科書フォーラム」が開催した韓国近現代史「代案教科書」セミナーでは、4・19革
命(1960年に不正選挙の結果を不服とした民衆デモにより、当時独裁体制を敷いていた李承晩〈イ・
スンマン〉大統領が下野した事件)顕彰団体の会員らに胸ぐらをつかまれたこともあった。
だが、なぜ李栄薫教授は、こうした屈辱を受けながらも再び立ち上がったのだろうか。28日午後、記
者は教授の元を訪れ、その理由を尋ねてみたところ、教授は「昨年初めに出版された『解放前後史
の再認識』の編集にかかわりながら、韓国社会の中産層がこれまでの50年間、民族や民衆、階級
などといった日常生活とは何の関係もない歴史からどれだけ苦しめられたのかを痛感した。そこで、
こうした状況を何とかしたいと思い、自由と信頼、法治の文明精神に基づいて書かれた新たな歴史を
示そうと考えたことがきっかけになった」と答えた。
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