07/05/31 20:10:15
日本に十九年住んでいるミャンマー人で、静岡県伊東市の民宿の経営者ミャミャ・ウィンさん(61)が、
「お世話になった日本人への感謝を込めて」と映画「にじいろの愛」(ティ・ソートン監督)を制作した。
「映画を通じて、親切な日本人の姿をアジアの方に紹介したい」と、ミャミャさん。上映会を六月三日、港区の高輪区民センターで開く。
(吉岡逸夫)
映画は、ミャミャさんが住んでいる伊豆と、ふるさとミャンマーが舞台。ミャミャさんが制作費二千万円を提供し、脚本とプロデュースを担当した。
出演は、ミャンマーで活躍するプロの人気俳優。制作スタッフら約二十人も同国のプロ。一部、日本人がボランティア出演している。
ミャミャさんは「ギャラが高い日本人は使えなかった」と話す。
映画は、ミャンマー人の若い女性が、伊東のミカン農園で働く父親を訪ねるところから始まる。女性は、農園の息子に恋をする。
そして、日本でミャンマー語を教えるミャンマー女性と父との過去などを知り、親子、恋人、国への愛などについて悩む。
日本とミャンマーの自然や文化が随所に紹介され、政治色はない。日本の商業映画と比べると素朴なつくりだが、ミャンマー人の心がよく分かる。
ミャミャさんは一九八八年、夫の貿易の仕事を手伝うため、長男を連れて来日。ところが、祖国で民主化運動が広がり、帰国不能になった。
事情を聴いた伊東市在住の旧日本兵の一人が、「お世話になったミャンマー人への恩返し」と、資金を出し、民宿経営を応援した。
若いころ、祖国で女優経験のあったミャミャさんは、民宿を営みながら、映画制作資金をためた。
「皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。映画を通して両国の文化を知ってもらおうと思った」と語る。
映画は既にミャンマー、タイ、マレーシアなどの映画館で上映され、好評だった。日本での公開は今回が初めて。
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