07/05/23 14:45:51
民防衛の日
午後２時、けたたましいサイレンが鳴った。韓国は毎月１５日が「民防衛の日」。
全国一斉に実施される軍事・防災避難訓練の警報だった。駐在先の釜山日報（釜山市）を出て
歩道橋に上がってみると、大通りに車は全く走っておらず、遠くに停車中の大集団が見える。
乗用車が１台走ってきたが、黄色い防災服を着た係員に制止され、道路脇に寄せていた。
１５分後、車は一斉に走りだした。
民防衛の日は１９７５年、ベトナムで社会主義陣営が勝利するなど共産圏に勢いがあった当時、
北朝鮮を意識した当時の政権が制定したという。敵の侵入などを想定した市民全員参加が原則の
訓練だが、近年はその必要性に論議もあるとか。当初に比べると縮小傾向にあり、現在、訓練は
毎月ではなく年８回。この日は地震を想定した初めての訓練だった。ただ見ている限り建物など
へ避難している歩行者はいなかった。ちなみに客を乗せたタクシーは料金メーターを止めると
いった細かい指導もあるそうで妙に感心した。
訓練に対する国民の姿勢を釜山日報記者に尋ねると「政府の太陽（融和）政策で緊張感は薄れて
いる。それよりも」と彼が身を乗り出して話したのは、５６年ぶりの南北直通列車試運転の
ニュース。「日本政府も北朝鮮と積極的に対話すべきですよ」と求められた。
（釜山・藤崎真二）
＝2007/05/22付 西日本新聞朝刊＝
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