07/05/16 22:34:12
例えばモーゼ、ヨセフのように・・・
米国にやってきた韓国系移民は様々だ。タイプ分けするのもなんだが、一応わかりやすく、
「過去執着型」「モーゼ型」「バナナ型」「ヨセフ型」としておこう。
過去執着型は、文字どおり故郷を忘れることができず、郷愁にとらわれている人々を指す。
彼らは苦労に直面すると昔の生活と韓国人的な人情を懐かしむ。過去の自慢話ばかりをしていて、
思うように事が運ばないと、荷物をまとめ本国に帰るとも言い出す。
韓国でそれなりに立派な生活をしてきた人はとくに、ちょっとした苦労にも耐えられない。
酒に溺れるケースも少なくない。家庭は壊れ、麻薬にまで手を染め、自殺する人もいる。
過去執着型の多くは、悲観の中で自滅するケースが多い。
モーゼ型は「指導者依存型」とも言える。
一人で苦難や問題の解決にあたるよりも、団体を組織して指導者を立て、解決していくことを
重要視する。ほとんど伝統的と言っていいほど「団結力」に乏しい韓国人が、協力団体を作り、
問題に対処しようとする努力は、移民の現場では次から次へと生まれてくる。
１９０２年１２月２２日、１０１人の韓国人が、ハワイのサトウキビ農場の労働者として
働きはじめたのが、韓国移民史の幕開けだった。
多くの苦難といくつもの問題を解決するために、韓国系移民者は１９０３年８月７日、
「新民会」という団体を組織した。海外で組織された最初の海外移民団体だった。
その後多くの組織が生まれたが、どれも長く続かず、その役割も十分に果たせなかった。
今日米国社会では、各地域の韓人会を筆頭に、ワシントンＤＣには全米最多の約４５０の
韓国系団体がある。ロサンゼルスには約３８０、ニューヨークには約３５０団体と、
多くの団体がある。例に漏れず、「団結」というよりは「分裂」が進んでいる側面を否めない。
だが、４月１６日のバージニア工大銃乱射事件のときは、すべての団体が協力し、
成熟した姿を見せた。
「バナナ型」はどうか。バナナのように、見た目は黄色くても中身は白いという意味なのだが、
肌の色は先天的に黄色種だが、中身は白い。即ち白人を意味している。
この「バナナ型」の人々は、米国で熱心に学び、育った東洋人を指す。
勉強し、経験も十分でハイ・ソサエティに属する（ある面では平均的な米国人よりさらに
発展した）人でも、やはりこの米国社会では「バナナ」的な人間なのだ。
バナナ型の移民の中で頭角を現した人の中には、日本出身の「ミネタ氏」がいる。
彼はカリフォルニア州で民主党下院議員に進出し、７選した。ブッシュ政権では交通部長官職を
７年も任じた人物だ。連邦政府における韓国人には、最近ではホワイトハウスのアジア地域
安保補佐官となったビクター・チャ博士がいる。一時期下院議員としては金昌俊議員がいたが、
個人的な事情で早期に退いている。
４つ目に、「ヨセフ型」が挙げられる。「Ｊｏｓｅｐｈ’ｓＭｏｄｅｌ」と呼ばれるこのタイプは、
最も望ましい成功的なケースだ。ヨセフは旧約聖書時代に、エジプトに売られて身寄りのなくなった
不遇な移民客だった。彼は天涯孤独で、下男として働いていた移民だったが、３０歳にしてついに
エジプトの総理大臣となった。これは（旧約創世記４０章３９節１４５節）世界史上、前例がなかった。
彼はどんな境遇で、どんな立場におかれても信仰（キリスト教）を捨てず、誠実に生きた。
それゆえ彼の成功があった。すべての問題は信仰による恩寵と人間的な誠実さで解決した。
人種のせいで売られたこの哀れな男は、人間的に誠実な努力と信仰的な神の恩寵により、
異国の地で総理大臣となったのだ。前述のミネタ長官も同じような人物であり、
今日のカリフォルニア州知事であるシュワルツネッガー氏も、ブッシュ大統領が懇意にしている
ライス国務長官もまた同様の人物だ。
米国移民史が１０５年目を迎える今日、韓国人の移民同胞らの姿を再び照らしながら、
具体的な姿を模索するときがきている。
（ワシントン・金暎勲）
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