07/05/13 11:55:43
日本列島が高気圧に覆われ各地で今年一番の暑さになった今月9日に、九州北部から関東
まで20都府県以上で観測された光化学スモッグは、中国大陸で発生したオゾンが主原因だった
らしい。西風でオゾンが運ばれてきた様子が、九州大学と国立環境研究所によるシミュレーション
で再現された。以前から指摘されている「越境汚染」の可能性を裏付けるものだ。
光化学スモッグは、光化学オキシダント(主成分はオゾン)が起こす。オゾンは、自動車や工場
などが出す窒素酸化物などの大気汚染物質が日光を浴びるなどして生じることが知られている。
10年以上前からアジアの光化学スモッグを研究してきた九州大応用力学研究所の鵜野伊津
志(うの・いつし)教授、環境研の大原利真(としまさ)・広域大気モデリング研究室長らのグループ
は、中国や日本を含むアジア各地の大気汚染物質の排出量を、エネルギー消費や車の台数
などから推計。オゾン生成の化学反応や風向・風速を加味して、地上でのオゾン濃度の変化を
数値計算した。
それによると、6日午後3時では中国沿岸部などに高濃度の地点があるが、日本は各地とも
低濃度だった。ところが、東シナ海の高気圧の北側に西風が吹き、7日から9日にかけて、高濃
度のオゾンが中国から日本に広がったとの結果が出た。
九州などに広がったオゾンは8日時点で、地域によっては光化学スモッグ注意報の発令基準
(0.12ppm)に近い濃度レベルに達する、との計算結果で、8、9日に日本国内で実測された
光化学オキシダントの濃度分布などとよく合っていた。
光化学スモッグは70年代がピークだったが、近年、再び各地で注意報の発令が増えている。
特に九州北部や日本海側での発令が目立ち、9日には新潟県で72年の観測開始以来初の
注意報が出された。こうした特徴や、日本の大気汚染が規制で改善傾向にあることから、研究
者の間では中国からの越境汚染の影響が大きいとの見方が強かった。
大原室長は「国内で光化学スモッグの原因物質をさらに減らすと同時に、越境汚染について
国際的なルールを作る必要がある」と指摘している。
URLリンク(www.asahi.com)
【環境】 8、9日の光化学スモッグ注意報、中国からの越境汚染 [05/12]
スレリンク(news4plus板)
【九州】 3県19市町で光化学スモッグ注意報、児童らが異常訴え~発生原因として中国大陸からの影響を指摘する専門家も [05/09]
スレリンク(news4plus板)