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<光化学スモッグ>8、9日の注意報 中国からの越境汚染
光化学スモッグ注意報が8、9日に全国で相次いだのは、中国の大気汚染が日本に流入する
「越境汚染」が原因である可能性の高いことが12日、国立環境研究所などのシミュレーション分析
で分かった。梅雨入り前までは同様の状況が周期的に訪れる恐れがあるという。
環境省のまとめによると、8日は福岡、長崎、熊本、山口、広島の5県が注意報を発令。翌9日は
九州から栃木、群馬、新潟各県までの22都府県で注意報が出た。5月としては既に過去5年間で
最も多い発令になったという。
同研究所の大原利真・広域大気モデリング研究室長(大気環境科学)らは、中国の自動車台数や
エネルギー消費などの統計をもとに、日本と中国を中心とした東アジア各地の光化学オキシダント濃度
を推定。約1カ月前からは毎日、風向や風速などの気象データも加味して汚染物質の移動状況を
シミュレーションしている。
6~9日の移動状況を分析した結果、6日に中国上空にあった、日本の大気基準以上の高濃度の
汚染物質(光化学オキシダント)が徐々に東に移動、7日から9日にかけて日本上空一帯に達していた。
大原室長によると、東シナ海付近に移動性高気圧があると、日本は西風が吹きやすい。さらに、
日本付近も高気圧の影響で好天になりやすく、光化学オキシダントが高濃度になりやすい条件が
そろうという。8日には東シナ海に移動性高気圧があり、これらの条件が重なった。
ただ、8日の注意報は中国からの流入が原因の可能性が高いが、9日に東日本まで広がった
注意報は「越境汚染」に加え、日本国内の大都市の大気汚染も関係しているという。
大原室長は「中国からの越境汚染だけが問題なのではなく、日本もまだまだ改善する必要がある。
両国は協力して大気汚染改善に努力してほしい」と話している。【江口一】
■ことば(光化学スモッグ) 気温が高くて日差しが強く、風があまり吹いていない日に発生しやすい。
目がチカチカしたり、のどが痛くなる。原因は光化学オキシダント。自動車や工場から排出された窒素
酸化物(NOx)などが太陽光による光化学反応で生成する。濃度が高くなると、もやがかかったような
「光化学スモッグ」現象に至る。一般的に光化学オキシダントの大気中濃度が0.12ppmで注意報、
0.24ppmで警報を都道府県知事が発令する。
最終更新:5月12日15時4分
毎日新聞
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
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