07/05/07 22:58:27
【あしたはきっと 憲法60年】
あしたはきっと 「外国人参政権」
定住の地 遠い1票
4月。全国が選挙ムードに包まれ、府内でも首長や議員が有権者の一票で次々決まった。
南区の「希望の家カトリック保育園」の園長の崔忠植(チェチュンシク)さん(69)は、
深夜までテレビの開票速報にくぎ付けになった。
「選挙に行きたくて、行きたくて……」
在日韓国人2世。高校まで「新山守吉」の名で通った。染織工場に勤める父と
チマ・チョゴリ姿の母。家はニンニクのにおい。「朝鮮人」と言われるのが怖くて
友達を呼べなかった。
「在日」という現実から目を背けようと、バスケットボールに打ち込んだ。
女の子にラブレターをもらっても、本当の自分を明かせないことがつらかった。
教育大学を目指したが、「在日は教員になれないのが分かっているのか」と兄に
言われた。府立大で社会福祉を学んだ後、同志社大で神学を修めて牧師になった。
70~80年代にかけて大阪や京都で指紋押捺(おう・なつ)などの人権問題に直面。
「社会に自分たちの意見を反映するためには参政権がいる」と意識するようになる。
以来、在日本大韓民国民団(民団)の活動などを通して、地方参政権の必要性
などを訴えている。
84年の国籍法改正で、両親どちらかが日本人の子は自動的に日本国籍を取得でき、
22歳までに国籍を選ぶ仕組みに変わった。「日本国籍を取って、参政権を得ればいい」。
世間ではこんな考えも根強い。
崔さんは、日本国籍を取るつもりはない。韓国籍の自分の存在が、日本社会でほかの
国籍を認めてもらうための一つのシンボルになると思うからだ。「参政権は地域社会の
一員と認めること。それが共生社会を生み、差別や偏見を乗り越えていく力になるんです」
■ ■
山科区の神門(ごうど)佐千子さん(53)宅では、次男が20歳になり、選挙権が
ないのは夫のラローズ・ジャックさん(61)だけになった。
ラローズさんはパリ大を卒業後、フランス語講師として約30年前に来日。神門さんと
結婚して永住権を取得した。現在は京都大でフランス語を教え、ボランティア活動に精を
出す。
統一地方選では応援する候補者の記事を新聞で読み、政策を比べた。選挙に関心の高い
母国に比べ、日本の投票率は低い。「行かないのなら、こっちに選挙権を与えて」と思う。
4月に初めて投票に出かけた次男は言った。「僕たちより長く日本に住んで日本を
知っている人に選挙権がないのはおかしい」
神門さんは国際結婚をした人々と「国際結婚を考える会」をつくり、在日の人らと
共に永住外国人の選挙権を求めて活動している。
「外国人はいつか帰ってもらう存在という意識が日本人には強い。でも、地域の一員
として一緒に街づくりを考えていく意識が必要だ」
ソース 朝日新聞
URLリンク(mytown.asahi.com)
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