07/05/02 09:10:22
【政論探求】さあ、河野氏の出番だ
安倍晋三首相の初訪米は慰安婦問題をめぐる「謝罪」の旅の様相をも帯びてしまった。
一国の首相にこういう屈辱的な役割を演じさせた張本人から、自身の政治責任を語る
声が聞こえてこないのはどうしたことか。
河野洋平衆院議長である。あの「河野談話」は韓国当局からの「強制性を認めてくれ
れば収拾できる」という要請に基づき、「官憲による強制連行」が確認できないまま、
政治的判断で出されたものであることは周知の事実となっている。
今回のマイク・ホンダなる議員によって提出された決議も「河野談話」を下敷きにして
いる。万一、下院で採択されたら、法的拘束力はないとはいうものの日米関係に計り
知れない打撃を及ぼす。「20世紀最大の人身売買事件」というのだから、あきれはて
る以外にないのだが、だれも知らなかったマイク・ホンダの名前は世界的に知れ渡り、
これで次回当選も間違いない。他国をいかに誹謗中傷しようとも、自分の選挙を最優
先と考える政治家のいやらしいサガがにじむ。
安倍首相の訪米で情勢の変化が見られるにせよ、下院採択の事態を完全に回避する
ためには、河野氏の出番しかない。あのときの政治判断は誤りであったと認め(必ず
しも表明しなくてもいい)、静かに衆院議長を退任し、さらに議員辞職までやれば、これ
は完璧だ。米側の反応は一変しよう。これで河野氏は、国家の危機を救った元自民党
総裁として歴史に名を残すことになる。
それにしても、欧米の主要メディア(とりわけ日本特派員)の勉強不足は度が過ぎる。
中国、韓国などは一定の意図に基づいて罵詈雑言を浴びせるのが「報道」と心得て
いるようだから、論外であって、あれは新聞ではなく「機関紙」だ。だから無視
するのが一番いい。
欧米民主主義国家のメディアがこれほどひどいとは、寡聞にして認識不足だった。何
につけ「日本たたき」は売れるネタなのであろう。自分たちの国家で「戦争と性」がどの
ように扱われてきたか、そこに思いをはせる人間的器量にも欠けている。
あの戦争の時代に、多くの女性を悲惨な境遇に追い込んでしまったことへの真摯な
思いを抱くのは当然だ。
だが、当時は公娼制度があったこと、そのための業者がいたこと、そして兵士は慰安
婦にカネを払っていたこと、慰安所を軍が管理しなければ安全や衛生面で問題があっ
たこと…そうした基本的な事実も知らない記者が少なくないというのだから、まさに世
界的規模の「報道の危機」である。
三十数年、新聞記者をやってきたが、「事実を踏まえて記事を書く」のは基本中の基本
と教わってきた。「慰安婦狩り」「性奴隷」などは虚構の産物であった。欧米メディアも
その事実に気付き始めたのなら、早く「訂正」を出すことだ。これも報道の基本である。
(客員編集委員 花岡信昭)
▽ソース:産経新聞 2007年5月2日付 5面
▽関連スレ:
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