07/04/24 21:09:23
ここに米国で25年間、「第2言語としての英語教育」に携わってきたキム・ユミさん(『お母さんが変わらなければ、
子どもは成功しない』の著者)が4月4日付朝鮮日報のインタビューで語ってくれた話を再掲する。
「最近のお母さん方の中には、英語さえ早くから教えればよいと考えている人が多いようです。そのため
文化的な素養が欠如している子どもたちが少なくありません。そうした子どもたちがよい大学に行けるはずもなく、
もし行けたとしても、企業に歓迎される人材にはなりません」
「グローバル企業の中には、書類合格者を集めて1週間ホテルに宿泊させ、食事やスポーツ競技の観戦、
オペラや演劇の鑑賞、ナイトクラブでの社交などの機会を提供しながら、人間関係のスキルや総合的な
文化水準をチェックするところもあります」
もはや大学が人間教育の場とは見なされなくなって久しい。大学そのものも、システムや運営の面で、
企業と変わらなくなってきた。大学は高い水準の知識を伝達し、最小限の社会への足がかりを提供
してくれるだけで、「人」を育て上げるところではない。そうした意味では、米国の大学も韓国の大学も同じだ。
それどころか平準化に没頭するあまり、すべての高等教育機関が単なる養成所か何かのように完全に
横並びとなってしまった韓国の今の状況では、そもそも大学に「人を育てる」ことを期待するほうが間違っている。
人間教育は、家庭教育と初等教育で行われるべきものだ。子どもたちは親から学び、友人たちから学び、
そして先生たちから学ぶ。われわれの周囲を見渡してみよう。家族への信頼や愛情、大人たちへの尊敬の
念や礼儀、素直さや自分自身への厳しさ、友人や隣人への配慮、他人に対し迷惑をかけない心遣いや
マナーといったものを教える家庭教育はないがしろにされ、数学や小論文といったものを教える塾や家庭教師が
幅をきかせている。
今韓国では、街角や食堂、運転中の道路、催し物の会場といった公共の場で、他の人を配慮する譲り合いの
精神に欠けた青少年が、あまりにも多く目につく。例えば、家庭で食事をする際に「いただきます」、
「ごちそうさまでした」という基本的なあいさつをきちんと教えている家庭は、全体の何割くらいになるだろうか。
ずいぶん前に出版された本ではあるが、『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』で
ロバート・フルガムが語った内容が、重みを持って感じられる今日このごろだ。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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