07/04/16 14:35:51
ご存知の方も多いと思いますが、上海の株式指数はこの1年あまりに急上昇し、3倍にも
なろうとしています。平均株価が1株当たりの純利益の37倍にもなっているといいます。
業務がほとんど中国に限られ、サービスレベルも世界のそれに程遠い工商銀行の時価
総額は一時的に世界一になり、現在も金融機関では世界2位に留まっています。
銀行の店頭では投資信託を買い求める人々が行列をなし、まるでバーゲン会場のようです。
その行列に家政婦の姿も多いことで話題になりました。OLがカードで借金して株を買うこと
も珍しいことではありません。
2006年の始めまでは、中国株は実に不人気でした。証券会社が昼食の弁当サービスを
用意して顧客を招きいれようと必死でした。中国のGDPは長い間成長を続けていたのにも
関わらず、株式市場はずっと低迷し、欧米アナリストの批判の的になっていました。
その理由は会計の不透明性に加え、政府の不勉強と無関心が大きかったと思います。
上場企業の大株主に巨大な国営企業が多く、その分の株式はきわめて安い値段で取得
しているうえ、「非流通株」として市場と無関係に存在していました。
株式市場が信頼を取り戻すきっかけはこの非流通株の改革でした。2006年前半までに
ほとんどの非流通株が開放できることになり、市場に入る準備が整いました。市場の受け
入れ能力に配慮し、非流通株は一定の期間を待たないと売買できない制限が付きました。
市場改革が進んだうえ、実際に流通する株数が少ない昨年の株式の高騰は理解できます。
米の著名投資家であるジム・ロジャース氏も2006年前半に上海A株の高騰を予測し、購入
していました。
しかし、昨年後半に入り、A株の指数が2000ポイントを試し始めた時点から中国の株式市場
が急に怪しくなりました。冒頭に申し上げた怪現象もこの時点から顕著になりました。
昨年11月から中国の貯蓄率が初めて減少に転じました。家政婦が貯金を引き出してファンド
と株を買う現象がこのデータを裏付けました。
それに気がついたジム・ロジャース氏は中国メディアのインタビューでA株の行き過ぎを指摘
し、買うべきではないといっていますが、痛い目にあったことのない個人投資家はそんな声に
耳を傾けることがないようです。
個人投資家の大挙流入で株式市場が過熱し、その急上昇をみてさらに個人投資家がやって
くるサイクルが昨年後半からずっと続きました。不合理的な株価が危険だというよりも、ほとんど
の人々が株式の暴落を経験したことがなく上昇を信じ込んでいること自体が危険なのです。
(>>2以降に続きます)
依頼スレ>>58さんの依頼でたてました。
スレリンク(news4plus板:58番)
ソース:日経 IT PLUS
URLリンク(it.nikkei.co.jp)