07/04/16 14:06:42
ドイツ系米国人がドイツの問題を論じても、そうした誤認は起きない」と語り、米国社会での
アジア系米国人への微妙な認識を強調した。ナカノ氏はその種の誤認の実例として1999年に
表面化した中国系米国人学者のロスアラモス研究所での核兵器機密スパイ疑惑をあげ、この
学者が米国人なのにアジア系という理由で外国人のように扱われたことを指摘した。
ナカノ氏はさらにホンダ慰安婦決議案への反対の理由として「日本の慰安婦は確かに非だろう
が、いまの世界には他にも無数の非がある。たとえばチベットでの人権抑圧はどうなのか。
そうした現状で過去の一事例だけを拡大して追及することは均衡を欠く」と述べた。
ナカノ氏はまたホンダ氏が州議会議員当時から現在にいたるまで一貫して、慰安婦問題や
南京事件など歴史上の案件で日本を糾弾している理由について「それはホンダ氏の選挙
キャンペーンでの政治献金の問題だ」と述べ、中国系団体から集中的な政治献金を受けて
きたことがホンダ氏の日本糾弾決議案提出の動因であることを示唆した。
ナカノ氏はホンダ議員が世界抗日戦争史実維護連合会など中国系団体幹部から多額の
政治献金を受けていることを知っていることを認め、「しかしこの日本非難決議案との関連では
この献金の実態は米国内では一般にはまったく知らされていない」と語った。
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【プロフィル】ジョージ・ナカノ
1935年、ロサンゼルス生まれ、幼児期に日系人収容所生活を4年近く体験した。1977年に
カリフォルニア州立大学大学院修了後、高校の教員、校長を経て80年から94年までトランス
市会議員、99年から2005年までカリフォルニア州議会議員(民主党)、各種の民主党系や
日系の団体多数の指導者を務める。