07/04/11 12:48:13
【ワシントン笠原敏彦】
マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の北朝鮮資金返還問題で、米政府が
マネーロンダリング(資金洗浄)に絡む「不法資金」も含めて口座保有者に返還することを
容認したことは、核交渉を優先する米政府の更なる譲歩を示すものだ。
返還条件とした「人道・教育目的」の使途を保証する体制も整えないままの容認は、14日
に期限が迫る北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階措置」の履行を急ぐ姿勢を鮮明にして
いる。
マコーマック米国務省報道官は10日、報道陣に対し、今回の解決策が「国際的な金融
規制」に沿ったものだと指摘した上で、「北朝鮮がどう反応するか見守る」と語った。
6カ国協議筋は「米国は現時点で北朝鮮から十分な合意を取れたわけではないようだ」と
説明した。
米財務省は先月19日、BDAの北朝鮮関連52口座(2500万ドル、約30億円)を中国国有
「中国銀行」の北朝鮮口座に全面移管すると発表した際、その使途に「人道・教育目的」の
条件を付けた。不法資金も含めて全面返還する「矛盾」に目をつむり、決定を正当化する
根拠としたのがこの条件だった。
第三者である中国銀行に資金を移管することには、使途目的を「監視」する含みがあった。
しかし、BDAから口座保有者への直接返還ではこの機能は期待できず、ヒル米国務次官
補はソウルで「具体的にはマカオと北朝鮮当局が合意することだ」と述べ、米国の管轄外
との立場を示した。
米国のBDA問題への対応は一貫性を欠き、方針変更を重ねてきた。米国は05年9月に
BDAを「主要な資金洗浄懸念先」に指定。今年2月13日の6カ国協議合意の際に、それ
まで6カ国協議と無関係の「法執行」の問題だとしてきた姿勢を転換し、ヒル次官補は
「1カ月以内」のBDA問題の解決を約束した。
BDAから口座保有者への直接返還という今回の解決策も、中国銀行への送金作業が
困難になり、初期段階措置の期限が14日に迫る中で取られた事態の収拾策だ。
米議会関係者は、米政府の失態について「国務省が全面返還に向けて財務省を説得する
ことばかり注意が払われ、受け入れ先の銀行などとの調整が行われなかった結果だ」と
批判する。
毎日新聞 2007年4月11日 2時29分
依頼スレ>>709さんの依頼でたてました。
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ソース:毎日新聞
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