07/04/05 17:37:02
☆★☆★2007年04月05日付
「最強の居座り事件」が解決したと知って、さてどんな方法で“円満”にまとめたのか
真相を知りたいものだと思った。
立ち退きを迫る側と拒否する側の攻防も「白髪三千丈」の国ではまるっきりスケールが異なる。
そうこれは中国でのお話▼この事件を知ったのは三月下旬に載った産経新聞の写真付き記事。
中国・重慶市で開発業者の立ち退き要求にたった一軒で抵抗している飲食店の周囲を開発業者が
重機を使って約九メートルも掘り下げるという実力行使に出たが、そんな恫喝にもくじけず
飲食店経営の夫婦は意気軒昂。世論もこれに同情してエールを送っているというもの
▼その写真というのがすごい。地盤より九メートルも掘り下げられてプールのようになっ
た穴の中に一本シメジよろしく問題の飲食店が佇立しているのである。地上げに伴ういやがらせは
バブル期よく話題になったが、そんな生やさしいものではない。
「ここまでやるか」と信じられない思いの光景だ
▼くだんの開発業者は四十五億円を投資してここにショッピングモールを計画、
周辺の二百八十戸は地上げに屈し、一平方メートル当たり一万元の補償金で立ち退いた。
だが、この夫婦は十三万元でなければダメだと頑強に抵抗、裁判所の強制排除命令も拒んで
頑張る健気な姿が世論の共感も集め、こうなると開発業者も振り上げたこぶしのやり場がない…
▼結局は裁判所の調停によって和解となり、飲食店は取り壊されたのだが、この攻防はまるで
生きた水滸伝だ。こうすれば落ちるだろうという目算が見事はずれ、逆に追い込まれる。
その戦術にしても日中には違いがある。攻め落とすために「堀を埋める」のは日本だが、
中国ではどうやら「堀を掘る」らしいということが分かった。
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