07/04/04 21:29:49
2007年4月4日発行版
URLリンク(www.onekoreanews.net)
■朝鮮学校に2億円支援
韓国統一部は、財政面で困難な状況にある朝鮮学校を支援していくもようだ。3月末、
来日した韓国国会議員が民団幹部との懇談で支援の問題に言及した。民主労働党の
李永順議員は、3月26日、金廣昇中央議長ら民団幹部と懇談。関係者によると、
李議員はその席で、韓国政府の朝鮮学校支援は統一部の予算で行われるとの見通しを示し、
当面2億円(約16億ウォン)が補助される見込みであることを明らかにした。
(東京・金総宰、ソウル・李民皓)
日本政府との協議必要 実現の見通しは不明
朝鮮学校支援のための2億円の具体的な使用目的は不明だが、枝川朝鮮第2初級学校は、
都有地である学校敷地を六月末までに1億7000万円で買い取ることで都との間に和解を成立させた。
3月中旬、枝川を訪問したウリ党の柳基洪議員が同校に、期限までに和解が履行できるよう支援したいと
約束していることから、統一部の予算が学校敷地の買い取りに充てられるのではないかと見られている。
柳議員は05年7月、民間の手でつくられた「枝川朝鮮学校対策会議」のメンバーで、李永順議員も
結成以来のメンバーだ。
支援は枝川朝鮮学校のほかに、朝鮮総連の債務の担保になっている学校にも行われる見込みだ。
この支援について、李議員と懇談した民団幹部は「百数十校ある朝鮮学校を引き受けるには大変な
予算が要る」と説明。敷地問題や校舎設備以外にも、教育カリキュラム、思想教育などの問題を考える
必要があるのではないかと具申した。支援の方法についても「民団を通して行う方がスムーズに
いくのでないか」と意見を述べた。
李議員は「込み入った問題があるが、これから協議させてほしい」と述べたという。
統一部予算で朝鮮学校を支援するとの問題に対して、李永順議員事務所のリュ・ギョンミン補佐官は
「今回の訪日(3月26―28日)で李議員は、資金の調達問題に関し論議したりコメントしたりしたことはない」
と否定した。
26日午後、民団中央本部を訪問したウリ党の李華泳議員は「民団の発展に寄与する」として
「政府補助金を年間100億ウォンまで増額させたい」と約束した。朝鮮学校への支援は増額した
補助金を使って行う方法も考えられる。
もし、枝川朝鮮学校への今回の支援が実行されると、次の段階として、総連債務の担保になっている
他の朝鮮学校への支援問題が浮上するのはでないかと見る向きも多い。
預金保険機構傘下の整理回収機構(RCC)は朝鮮総連に対して628億円に上る実質債務を請求している。
これらは総連自身がみずからの債務であることを承認したものだ。この債務のなかには朝鮮学校の敷地などを
担保にしたものも相当額ある。統一部の朝鮮学校支援がこうした負債の解消に進むかどうかはいまのところ不明だ。
総連が実質上借り手となった債務の解消のため総連は東京・千代田区の朝鮮会館を売却してもよいという
意向まで示しているという。しかしこれだけでは債務解消には到底及ばないのが実情のようだ。
韓国政府の支援で朝鮮学校にかかる債務問題を救済するには、日本側の承認というハードルもある。
預金保険機構のほか、文部科学省、外務省など関係する官庁や首相官邸の合議が必要になると識者は指摘している。
韓国統一部予算から
2億円規模なら、統一部の「南北交流協力推進協議会」で議決は可能だといわれる。協議会会長は
統一部長官が務め、これまで182回開かれている。
問題は、対北朝鮮食糧・肥料支援などの例外を除けば、南北協力基金を扱う協議会の審議決定内容は
ほとんど情報公開されないことにある。そのため今度の朝鮮学校支援の事実関係がどれだけ明らかに
されるか確かでない。
統一部予算のなかには「同胞社会統一基盤造成」という項目も置かれている。今年度予算額は1億1800万ウォン
にすぎない。統一部の今年度予算総額は6098億ウォンで、うち南北協力基金は5000億ウォンとなっている。