07/04/04 19:09:53
イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラによる
昨年夏の第2次レバノン戦争後、中国製のクラスター型ロケット弾の
子爆弾がレバノン南部で発見されていたことが分かった。
国連筋が毎日新聞の取材に明らかにした。
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」によると、このロケット弾の
実戦使用が確認されたのは初めて。国連筋は見つかった子爆弾が不発弾ではなく、
もともと発見場所付近に配備されていた可能性を示唆した。関係者の間で、
ヒズボラなど「非国家組織」へのクラスター爆弾拡散の危険に対する懸念が
高まっている。【ティール(レバノン南部)で前田英司】
中国製子爆弾は「MZD-2」と呼ばれる型で、122ミリロケット弾の中に
約40発が装てんされている。
国連筋によると、「MZD-2」はレバノン南部でのクラスター爆弾の不発弾除去・
処理作業で見つかった。
これまでに南部地域で処理した子爆弾約11万発のうち、中国製の割合は
1%以下だったという。
地雷や不発弾の除去活動をしている英国の非政府組織(NGO)
「ランドマイン・アクション」の報告書によると、中国製子爆弾の一部は
レバノン南部のベイト・ヤフーンで、イスラエル軍が使用した米国製クラスター爆弾の
不発弾などに交じって見つかったという。
しかし、国連筋は「中国製について確実に言えるのは『見つかった』という事実だけだ」と強調。
「不発弾とは断定できない」としたうえで、発見場所付近にあったロケット弾の
発射装置などがイスラエル軍の攻撃で破壊され、ロケット弾に詰め込まれていた
子爆弾が散乱した可能性もあると話している。
イスラエル軍は昨年夏、ヒズボラ攻撃で自国製などのクラスター爆弾をレバノン南部
に投下したが、同軍報道官は毎日新聞の取材に「中国製のクラスター爆弾を使用したことは一切ない」
と説明している。
一方で、ヒューマン・ライツ・ウオッチやイスラエル警察によると、紛争時、
中国製のクラスター型ロケット弾113発がイスラエル北部のナハリヤなどに
撃ち込まれたことが確認された。
これに対して、レバノン国会議員でヒズボラ幹部のハッサン・ホバラ氏は毎日新聞の
インタビューの中で、クラスター爆弾について「我々には必要ない武器だ」と強調、
ヒズボラが保有したり、使用したことはないと主張した。レバノン南部で
見つかった中国製については「イスラエル軍が使用したものだ」と語った。
レバノン軍で地雷・不発弾の除去を担当するムハンマド・フェフミ大佐も
「イスラエル軍が使用した」と述べた。
両氏はその「根拠」として「(クラスター爆弾は)誰でも闇市場で入手できる」
と指摘したが、イスラエル軍による使用の具体的な証拠は示さなかった。
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)