07/04/04 09:15:45
■漏洩の2曹、イージスシステム中枢情報も持ち出し
海上自衛隊第1護衛隊群(神奈川県横須賀市)の男性2曹(33)がイージス艦の情報を
持ち出していた事件で、漏洩(ろうえい)したイージス艦に関する情報は約800ページに
及び、極めて秘匿度が高い「イージスシステム」の中枢情報が含まれていたことが3日、
警察当局の調べで分かった。こうした情報は日米相互防衛援助協定に基づく秘密保護
法に規定された「特別防衛秘密」にあたり、警察当局は秘密保護法違反(収集など)容
疑での立件を視野に、海自など関係機関と協議を始めた。
神奈川県警が、2曹の自宅から押収したハードディスクやフロッピーディスクを分析した
結果、イージス艦に関する膨大な情報の中に「指定前機密」「極秘」「秘」などと記載され
た資料があることが判明。いずれもイージス艦の機能などを項目ごとに解説したもので、
イージスシステムの情報も含まれていた。
イージスシステムは世界最高水準の対空レーダーシステムで、高性能レーダーとミサ
イルをコンピューターで制御し、敵の航空機やミサイルを迎撃する。
特に、イージス艦の最大の特徴である「SPY-1D」と呼ばれる米海軍が開発した高性
能レーダーの能力に関するデータは「ほとんどが『秘』以上にあたる」(防衛省幹部)という。
レーダーは常に360度の監視が可能で、100以上の目標を同時に探知、追尾できる
迎撃システム。秘匿性が高いため、米政府は当初、日本への提供に難色を示していた
とされる。日本側の情報管理の甘さが露呈すれば、米側の反発を買うのは必至だ。
県警と警務隊は2曹が持ち出したイージスシステムの情報について、米軍側にも照会し、
慎重に調べを進めている。
2曹は県警の調べに対し、かつて同じ護衛艦で勤務した複数の同僚隊員のパソコンから
データをコピーし入手したなどと供述。県警と警務隊は名指しされた隊員に事情を聴くなど
調べを進めているが、いずれも秘密情報に接触できる役職・階級になく、情報の流出源と
断定できないため、別の隊員がかかわった疑いが強いとみて調べている。
秘密保護法では、米国から供与された武器などの構造や性能などの特別防衛機密を、
不当な方法で探知、収集したり、業務で扱うものが漏洩した場合、10年以下の懲役と
している。
■イージス艦情報持ちだし事件 神奈川県警が今年1月、2曹の中国籍の妻を入管難
民法違反容疑(不法残留)で逮捕したことで発覚した。県警は2曹の自宅を家宅捜索し、
護衛艦のレーダーのデータや通信関係の周波数などを記録したフロッピーディスクなど
を押収した。2曹は平成7年から11年にイージス艦「きりしま」に乗っていた。
▽ソース:産経新聞 (2007/04/04 07:01)
URLリンク(www.sankei.co.jp)
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