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北朝鮮の核の脅威になすすべもなかった日本に、ようやく本土防衛の「盾」が
実戦配備された。弾道ミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)
である。配備されたのは埼玉県の入間基地で、まだ首都圏のみを防衛する
限定的な能力しか持っていないが、日本のミサイル防衛が本格的にスタート
したことは喜ばしい。
昨年、日本海に向けてミサイル七発を発射し、地下核実験まで行った北朝鮮
がミサイルに搭載可能な核弾頭を持つまでには、まだ相当の時間がかかると
みられる。今後さらに、PAC3やイージス艦に搭載する迎撃ミサイル(SM3)の
海上配備を進め、北朝鮮による核の脅威を半減させたい。
ミサイル防衛(MD)は、弾道ミサイルをレーダーで探知し、イージス艦搭載の
SM3と地上配備のPAC3の二段構えで迎撃するシステムである。二〇一〇
年度までに入間、浜松基地など全国十カ所にPAC3の発射機を計三十基備える。
さらにSM3を四隻のイージス艦に搭載し、日本列島をカバーするMD体制が
一応整うことになる。
自衛隊が弾道ミサイルの対処能力を持つことによって、日本の防衛能力が飛躍的に
強化されると同時に、軍事的抑止力も高まり、東アジアの安定に寄与するとみられる。
MDの運用に当たって避けて通れないのは、集団的自衛権行使の問題である。
日本の上空を越えて米国に向かうかもしれない弾道ミサイルを撃ち落すのは、
憲法で禁止される集団的自衛権の行使に当たるので、迎撃はできないという議論
がある。しかし、もしそうした選択を実際にしたなら、日本の安全保障の根幹である
日米同盟は米国民の支持を瞬時に失って崩壊してしまうだろう。
安倍首相は、集団的自衛権の行使に該当する分野としない分野を個別的に研究
する考えを示しているが、日本上空を通過し国内に落下するかもしれないミサイルや、
日米のどちらを狙ったか判然としないミサイルの迎撃は個別的自衛権の行使と
みることができる。集団的自衛権の具体的ケースの研究と同時に、現在の憲法解釈
を改め集団的自衛権の行使容認や憲法第九条の改正にまで踏み込んで検討する
必要もあろう。
ソース:北國新聞
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