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☆★☆★2007年04月01日付
日本外交の、場当たり的というか一貫性を欠いた姿勢に関し、北朝鮮ウオッチャーとして活躍中の
重村智計早稲田大学教授が近著「外交敗北」で明らかにしている。対北朝鮮外交における失敗例の数々だ
▼読むと腹の立つことばかり。金丸訪朝団がいかにデタラメなものだったかを筆頭に、国益にかかわる大事が
政治家の功名、利権に少なからず利用され、それがどれほど日本の主権を蹂躙してきたかが縷々(るる)綴られて
いるだけでなく、外務省の高官までが恣意的手段を弄して相手の術中にはまった例なども詳述されていて、あまりの
情けなさにため息が出てきた
▼失敗例の多くはすでに巷間知れ渡っているが、こうしてまとめられてみると、あきれるほど前轍(ぜんてつ)に
学ばず、同じ過ちを繰り返していることがわかる。政治家も外交官も“学習”していないのである。共通している
最大の問題は、交渉相手を間違っていたということであろう。日本的根回しを考え、将を得るためにまず馬を
狙ったが、この馬が曲者だった
▼村山訪朝団が十万キロのコメを支援し、さらに五十万キロを要請された。交渉相手は百万キロを将軍様に約束して
いたためこれは見事に失敗し、本人は失脚した。最終的に将軍様のためになる交渉以外は意味がないのに自称側近に
だまされるのは、やはり手柄をあせるからだろう。
▼多くは実名が伏せられているが、国や国民の利益の前に自分の利害や立場を優先させる人物の座標はどこに
あるのだろうか。拉致被害者五人の返還に安倍さんが反対したことを著者は評価しているが、それが一般常識と
いうものである。にもかかわらず、妙に相手を立て、自国に不利益をもたらす人物が国の要にいるというこの不思議。
ソース:東海新報
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