07/03/30 14:18:27
’07統一選・かながわ:定住外国人も「地域の一員」 参政権へ高まる思い /神奈川
◇投票しないなら、おれがしたい 地方参政権へ高まる思い--川崎の在日コリアン・〓さん
◇きょう告示
県議選、横浜・川崎両市議選は30日告示される。各地で激しい選挙戦が展開されそうだが、
県内に暮らす約15万人の外国人はどれだけ長く住んでも、日本国籍を取得しない限り選挙権は
得られない。在日コリアン2世で、日本人と在日外国人との交流を進める川崎市の〓重度(ペェ
チュンド)さん(62)は最近の低投票率傾向に「(投票に)行かないのならおれにくれよと
言いたい」と訴える。【山衛守剛】
在日2世の〓さんは44年、東京生まれ。多くの在日コリアンが在住する川崎市川崎区桜本の
「ふれあい館」館長を務めるが、最近の選挙がとても気になるという。「投票率がすごく低い。
もったいないなと思う」
かつて指紋押なつ制度がまだあったころ、地元選出の国会議員に制度撤廃に向けて動いてくれる
よう訴えたことがあった。だが、その議員は「警察ににらまれるし、支持にも影響するから」と
まったく耳を貸そうとしなかったという。「一票持っているのとそうでないのでは議員の態度も違う」
在日コリアンが多く住む川崎市は、市内外国人約2万7000人のうち約25%が特別永住者
(04年12月末現在)。96年に市内の在日外国人が自分たちの問題を審議し、市長に提言を行う
「外国人市民代表者会議」が条例で設置された。提言を受けた市長は議会や担当部局に報告し、
その提言を尊重しなければならないことが条例でうたわれた。創設にあたっては有識者からなる
調査研究委員会が設けられた。
メンバーに加わった〓さんは「会議は地方参政権の代替としてできた。市も努力をしてくれたし、
成果は大きい。でも法的な力がないという点ではやはり限界がある」と話す。
同会議は05年度の審議で「外国人市民の地方参政権実現に向けて、国に働きかけるよう努める」
という提言を26人の代表者が全員一致で採択。定住外国人の地方参政権への要求の高まりを示した。
「国政の投票権までほしいとは言わない。ただ地域の一員として暮らしているのだから、
地域に関与し、責任を負う意味で、地方参政権を持ってもいい。地方参政権はその地域に
住む人のものであるべきだ」
またやって来た“選挙の季節”に、〓さんは改めてそう思っている。
毎日新聞 2007年3月30日
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)