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【台北28日遠矢浩司】海外有数の日本食レストラン激戦地である台湾の台北市に、居
酒屋や定食、高級レストランなど日本の外食産業が続々と店舗を展開し、新たな「日本食
ブーム」を起こしている。台湾での健康志向や本物志向の高まりが背景にあり、特に居酒
屋チェーンは、食事時に酒を飲まない人が多い台湾に「飲みながら食べる」日本の食文化
も広めようとしている。
日本食事情に詳しい飲料業界関係者によると、台湾の日本料理店は約1000店。うち
6割が台北市と近郊に集中している。香港やバンコクなどアジア大都市はいずれも300
店ほどで、台北の店舗数は群を抜いているという。
これまでも日本の外食チェーンは「すかいらーく」や「ロイヤルホスト」、「吉野家」
などが進出していたが、一昨年秋ごろから居酒屋の「和民」、定食「大戸屋」、高級居酒
屋「火間土」「えん」、カレーの「CoCo壱番屋」などが次々と店舗を展開。日本その
ままの味や店の雰囲気でファンを増やしている。
さらに今年初夏には世界1の高層ビル「台北101」(高さ508メートル、地上101
階)の86階に六本木などに店舗を持つ超高級レストラン「XEX」が開店する予定だ。
進出した店の中で、特に和民は高級感のあるおしゃれな内装や丁寧な接客、顧客層を20、
30代女性に絞り込んだ戦略で「レストラン業界に衝撃を与えた」(関係者)と言われてい
る。昼も夜も営業しており、食事時には行列ができ2時間待ちもあるほど。3月5日には
台北市内に4号店を開店、さらに店舗を増やす計画だ。
ワタミフードサービスの現地法人「三商和民」の鰐部慎二会長は「日本食は、油をあま
り使わず健康的で、普段食べているものでも味のレベルが高い。日本文化への関心の高い
台湾のお客さんにそうした点が受け入れられている」と話す。日本の「酒を飲みながら食
べる」お客も増えており、売り上げに占めるアルコール比率は同社の香港の店の2倍、10
%になるという。
日本食は昼の定食が200台湾元(約720円)前後からと地元料理に比べると決して
安くはないが、外食事情に詳しい情報誌「台北ウォーカー」(台湾角川)の李曄記者(2
7)は「少し高くても、おいしくてヘルシーならOK。若者同士で食事するときは中華料
理ではなく日本食を選ぶことが多い」と言う。しかし、台湾人は新しもの好きなうえ、日
本を訪れ日本食を知っている人が多く、「本物の味を維持しないと飽きられる」。同誌の
外岡(とのおか)宏長編集長も「台湾の日本食はブームといえないほど定着している。サービ
スと味の管理徹底が進出店の成功の鍵だろう」と分析している。
2007年03月29日00時06分
西日本新聞
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