07/04/02 21:16:28 Hs9NVnof
>そんなある日、美姫の父・日康(小木茂光)に
>「君たちがなぜ日本で生まれてしまったか?
>なぜ、伊藤などという名前で生きているのか、考えたことがありますか?」と交際を反対される。
そういわれたあつしは、祖父と父のことを無性に知りたくなり、調べ始めた。
そしてあつしは、今まで聞かされていた祖父の民族名が偽名だったことを知る。
祖父には怖くて事情が聞けなかった。
それで、祖父の幼なじみの金成柱おじさんにそれとなく聞くと
「君のお爺さんは朝鮮で警察に追われていたんだよ」と言われて愕然とする。
金おじさんによると、祖父の経歴はだいたい次のようだった。
祖父は戦前朝鮮で、近所の女性を強姦殺人して、逃走のために大阪に密航し、
偽りの民族名を名乗り、軍国青年を装っていた。
日本敗戦のどさくさで、駅前の一等地にあった日本人の家に、深夜放火して、一家を焼き殺し
その跡地に祖父が居座って闇市を開き、日本人から盗んだ物資を闇でさばきボロもうけした。
綺麗な日本女性が、祖父の店の前を通ったら、必ず後を付けて、人気のない場所で強姦した。
小金を貯めた祖父は、同じく密航していた同胞女性と結婚して、あつしの父が生まれた。
やめれば良かったが、小金を持った祖父は、朝鮮の故郷の家に凱旋帰国した。
祖父の家族は喜んだが、運悪く強姦殺人した被害者家族に知られてしまい、警察に逮捕された。
その時に祖父を警察から逃亡させてくれたのが、金おじさんだった。
金おじさんは朝鮮にいたので、けっこう顔が広かった。
祖父は金おじさんに、日本であくどく稼いだカネを渡して、警察から逃がしてくれるように頼んだ。
金おじさんは警察署長を買収して、わざと牢屋の鍵を外しておかせたのだった。
祖父は闇に紛れて家族の元に返ったが、その日がちょうど1950年6月24日のことだった。
(続く)