07/03/25 11:07:08
北戴河は渤海湾に面する中国のリゾート地だ。中国政府の指導者たちは1950年代から毎年
夏の休暇時に「北戴河会議」を開催し、国の重大事がその場で議論されていた。ところがこの
会議が2003年から行われなくなった。理由ははっきりしていない。また北戴河以外にも渤海
湾には観光地がいくつもあったがそれらも外国人観光客が大幅に減少したという。その理由
は水質があまりにも悪化したことによる。
渤海湾に注ぐ汚水・排水は一年で57億トンに達すると中国海洋発展戦略研究所が明らかに
している。渤海湾は天津、大連、青島などの大都市や数十の工業地帯に囲まれている。
渤海湾の汚染は中国による分類では「超3級」に該当する。化学的酸素要求量（CCD）は5PP
M以上だ。ちなみに韓国西海岸の平均汚染度は1.5PPMだという。
元来渤海湾は魚の宝庫といわれるほど水産資源が豊富だった。こうした中、中国政府は渤海
湾汚染の原因公開をためらっている。2000年に韓国の国会議員や海洋水産部幹部、環境団
体関係者らが渤海湾汚染の実態調査に乗り出したが中国政府は案内に応じなかった。
また仁荷大学の崔仲基（チェ・ジュンギ）教授の研究チームも3年前に渤海湾で水質検査を行
おうとしたが中国政府に拒否された。
現在、中国には10大環境問題がある。1市（北京）、1湾（渤海湾）、2物質（酸性雨・亜硫酸ガス）、
3河川（海河・遼河・淮河）、3湖（太湖・巣湖・テン池）がそれだ。そのうち最も急を要するのは20
08年にオリンピックを控える北京の大気汚染だ。中国政府は1998年からディーゼル車のタクシ
ー7万台を廃車にさせた。北京郊外にあった首都鉄鋼の工場も移転させた。ここは「北京を移す
か首都鉄鋼を移すかが問題」といわれるほど北京の大気汚染の元凶だった。そしてその工場
の移転先が渤海湾周辺だったのだ。
環境理論には汚染の原因となった者が第一次の負担者であるべきだとする「汚染原因者負担
原則」がある。しかし国際社会でこの原則を適用するのは容易ではない。加害者が協力しない
限り、誰が誰にどれほどの被害を与えたのか分かりにくいからだ。そのため被害者が汚染防止
の費用を負担する場合も少なくない。中国は環境問題にもっと開放的な態度をとるべきで、そ
れには中国国内の環境運動が活性化しなければならない。そのため中国の環境NGOを支援
することは長い目で見て韓国にとっても利益になる投資だ。
URLﾘﾝｸ(japanese.chosun.com)
【環境汚染】止まらぬ汚染、汚水垂れ流し放題の黄河―甘粛省蘭州市（写真有り）[03/22]
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