07/03/15 10:02:01
<東京カフェ>水に流せない
農林水産省が、海外の“正統”な日本料理店の認証制度を検討しているという。
独自に解釈されたおかしな料理を、和食と名乗られては困るということなのだろうが、
外交上の相互主義の立場から考えると、大きな問題をはらんでいる。
レバニラいためや、野菜いため、ギョーザが定番の大衆中華料理店。
もし、これに中国政府がクレームをつけたら、外食産業はパニックとなるに違いない。
スパゲティ・ナポリタンは論を待たず。独特の食文化で知られる名古屋に行ってみれば、
スパゲティ・「イタリアン」とか「台湾ラーメン」だとか、もう、突っ込みどころは満載。
つまり、海外の食文化を換骨奪胎して、オリジナルと離れたメニューを作ってきたのは日本だ。
自国の料理にだけ注文をつけるのは、少し身勝手な気がする。
しかも、認証制度の旗を振る松岡利勝農相は「水道水を飲んでいる人は、ほとんどいない」と発言。
水道水をおいしく飲めるのが日本の自慢だし、そもそも、きれいな水を生む森林を
涵養(かんよう)するのは、農相の役目だ。
食文化を論じながら、食の基本となる水を軽視する態度は、いかがなものか。
不透明な事務所費問題とあわせ、水に流せない。 (浅田晃弘)
ソース 中日新聞
URLリンク(www.chunichi.co.jp)