07/03/11 11:05:27
■日米両国を非難決議の対象にしては
≪噴火を再開した休火山≫
平成3年の大爆発から数年、日本の内外をにぎわせた慰安婦騒動も、河野洋平官房長官談話
(5年)やアジア女性基金による「償い金」の支給事業で沈静したかにみえた。しかし人々の関心
が薄れかけると、この休火山は噴火を再開するくせがあるらしい。
昭和天皇を慰安婦問題で有罪と宣告した女性国際戦犯法廷(12年)、その番組制作をめぐるN
HK対朝日新聞の紛争(17年)につづいて、こんどは米国下院に上程された「慰安婦決議」案の
行方が注目されている。すでに何度か提出され、そのつど廃案になったものだが、本年1月末マ
イク・ホンダ下院議員らが提出した新たな決議案は「日本帝国軍隊が第二次大戦期に若い女性
たちを慰安婦として強制的に性奴隷化したことに対する歴史的責任を明確な形で公式に認め、
謝罪する」(第1項)よう日本政府に求めたもの。
しかも「謝罪は日本の首相が公的資格で声明」(第2項)せよとか、「現在と未来の世代にわたり、
このようなおぞましい犯罪があったことを教育せよ」(第4項)とか、「性奴隷がいなかったと主張
する言論を禁圧」(第3項)せよといった内政干渉がましい要求までだめ押ししている。
およそ民主主義の総本家と自負するアメリカの議会人とは信じられぬほど品格に欠ける言い回し
だが、その勧進元が戦時中に日系人(強制)収容所で暮らした日系3世と聞けば何ともむなしい。
しかも決議案の背景となった事実認識は「20万人」の慰安婦たちを「20世紀最大の人身売買」
(前文)の犠牲者と位置づけ、集団暴行、強制中絶、殺害、手足切断などのめにあわせたときめ
つける非常識さだから、つける薬は簡単には見つかりそうもない。
外務省はこの種の係争では事実関係を争わず、村山富市首相や橋本龍太郎首相のお詫(わ)び
文の英訳を届けるたぐいの消極策しかとってこなかった。2月13日付で加藤良三駐米大使が下
院にあてた「反論書簡」も、歴代首相が謝罪を重ねている、安倍首相も河野談話を受け継ぐと表明
している、アジア女性基金が「償い金」を払った式の釈明に終始している。
>>2に続く
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