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【新刊】李翰雨(イ・ハンウ)著『宣祖、朝鮮の乱世を乗り越える』(ヘネム)
今まで誰がこの王の「リーダーシップ」に関心を持ったことがあっただろうか。壬辰倭乱(文禄・慶長
の役)の7年にわたる戦役に巻き込まれた悲運の王・朝鮮第14代王宣祖(在位1552-1608年)は、こ
れまで危機管理能力に深刻な問題があった君主であり、臣下らを抑えつける権力欲の化身のよう
に認識されてきた。
ところが、『太宗』『世祖』『成宗』の朝鮮君主列伝シリーズを相次いで著した著者は、4番目の君主と
して宣祖に注目した。『朝鮮王朝実録』の原文を基礎資料とし、改めて歴史評価のまな板に乗せられ
た宣祖は、意外にも「朝鮮最悪の危機を乗り切った卓越した君主」だった。
宣祖は、中国の歴史書『大明会典』に間違って記載されていた朝鮮の歴史を200年ぶりに修正し、国
難の危機に面して明の援軍の導入に成功し、国を守り抜く外交的能力を発揮した。さらに、宣祖の学
術的業績は余り知られていないが、四書(『大学』『中庸』『論語』『孟子』)を訓民正音(ハングル)に翻
訳するプロジェクトを戦略的に進め、ハングルの地位を高める功績を挙げた。
また、人材管理の能力も注目に値する。李滉(イ・ファン)、奇大升(キ・デスン)、李珥(イ・イ)、丁哲
(チョン・チョル)、柳成龍(ユ・ソンリョン)、李徳馨(イ・ドクヒョン)、李恒福(イ・ハンボク)、李舜臣(イ・
スンシン)、許浚(ホ・ジュン)…。これらの歴史に名を残した人物は、偶然同時期に出現したのではな
く、能力ある儒者を重用した王のリーダーシップがあったからこそ、これだけ多くの人材が輩出された
と著者は評価している。
なお、倭乱の克服にあたっては、「自分のやり方にこだわった」李舜臣のみならず、「リーダーの命令
に忠実に従った」元均(ウォン・ギュン)の功績も大きかったと指摘している。
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