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☆★☆★2007年03月07日付
軍拡などにうつつを抜かしている場合であるまいというのが正直な感想だ。むろん中国のこと
である。新年度の国防費が前年対比約18%増の五兆四千億円余り。十九年間連続二けたの伸びで、
軍事大国化目指してまっしぐらだ
▼税金を十二億の民から薄く広く集めるという状況にこの国はない。現今の驚くべき経済成長は
この巨大市場に幻惑されて蝟集(いしゅう)した外国資本に負うところが極めて大であり、従って
公表額の二、三倍はあるというこの国防費の原資は外国が大半出していると言っても過言ではない
▼富国強兵は国家にとって最大の課題であり、中国が軍拡に走ることも理解できぬではないが、
国内に抱えきれないほど抱えた課題を考えると、どこにそんな余裕があるだろうかと疑念を呈す
しかない。実際、五日に開幕した全人代で温家宝首相は、問題があまりにも多すぎることを認め
ざるを得なかった。そのキーワードが「社会の公正・正義」だから根は深い
▼貧富格差の拡大、医療・教育・福祉の不備、汚職・腐敗・不正の弥漫(びまん)、環境破壊、
大気汚染―などなど解決すべき喫緊(きっきん)の課題は満堂を埋め、国民の不満、いらだちも
また満堂から溢れだしている。冷戦下ならいざしらず現在の中国を誰が攻め込む。
ではなく軍拡に回す金を福利にこそ向けるべきなのである
▼農民の月収が三千円というある省では五億円もかけて役所を新築した。こんな例が掃き捨てる
ほど報告されている。沿海部のある市役所には幹部用の特別室があってベルサイユ宮殿のような
豪華な造りに驚いたことがあるが、こんな公私混同が許されているのが共産党・官僚王国の実態だ。
中国は外敵より内部崩壊に備えるべきだろう。
東海新報社
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