07/03/03 11:12:30
露紙「懲りない日本」あざ笑う 「北方領土問題も解決不要」
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのフラトコフ首相が先月末に訪日した際、日本側と数々
の対露投資案件をまとめたと伝えられる。極東の石油天然ガス開発事業「サハリン2」で
痛手を被りながらも投資意欲を膨らます姿勢を、「カミカゼ投資の日本」と揶揄(やゆ)
するなど日本経済界をあざ笑うかのような報道が目立つ。北方領土問題でも解決は不要だ
とする論調が強まっている。
「カミカゼ投資の日本」と題した記事を掲載したのは有力日刊紙ガゼータ。リスクが高
く打撃を受けても、日本側が自滅的な投資に意欲的なのは「恐れを知らぬサムライ魂がま
だ強いからだろう」と皮肉たっぷりに伝えた。
有力日刊紙ベドモスチも1日、1面の「ロシアンルーレット」と題する記事でロシアの
投資環境がリスクに満ちあふれた危険な状況にあると指摘した。それにもかかわらず、訪
日したフラトコフ首相が「サハリン2」で大きな損失を被った日本側に「大きな利益があ
る」と言って、サハリンとロシア本土を結ぶトンネル建設や、国営石油ロスネフチと共同
で石油精製工場を建設する計画を持ちかけたと報じた。
有力日刊経済紙コメルサントは、フラトコフ首相が、ロシア国営企業が独占を進める
エネルギー分野ではなく、よりリスクが高く政府保証がない投資分野の案件を日本側に
提案しているとして「日本の投資には(ロシア政府の)アフターサービスと保証は付か
ない」と報道した。
これらの報道では、石油の高騰で経済力に自信を持ったロシア側が甘言をろうして
日本側を欺こうとする姿勢が生々しく伝えられている。
フラトコフ首相の訪日中、いすゞ自動車の対露進出や、日露間の海底通信ケーブル敷設、
モスクワのシェレメチェボ国際空港第3ターミナル建設などの投資案件がまとまったと報
じられており、日本からの対露投資額は今後さらに増えそうな勢いだ。
領土問題についても独立新聞が「日本はクリール諸島(北方領土)のことを忘れた」と
題する記事を掲載。北方領土問題は日本の対露投資にはもはや影響を及ぼさないと結論づ
けており、日本側の立場はますます厳しくなりそうだ。
(2007/03/02 22:19)
(産経web)URLリンク(www.sankei.co.jp)
◇関連サイト「カミカゼ投資の日本」…ロシアが経済界あざ笑うかの報道
(産経iza) URLリンク(www.iza.ne.jp)