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辺境に暮らす風の谷の一族は東海の蛮夷である倭族にほかならない。高度な科学
技術と精強な軍事力、そして豊かな精神文明を誇るドルク帝国は古代大韓帝国で
あり、これと覇権を争う退廃したトルメキア王国は中国だ。古代東アジア社会を未
来に投影した宮崎氏は狡猾に歴史を捏造していく。辺境の未開人であるはずのナウ
シカ一族が素朴だが気高い民族として好意的に描かれているのに対して、超先進国
であるドルクの人々は得体の知れない言葉を話す狂信者扱いだ。さらにドルクに
「土鬼」という偏見にまみれた漢字をあて、倭人のプライドを満たそうと懸命にな
っている。まるで北韓の韓国人を「朝鮮人」と蔑称するかのように。DWARFという言
葉にふさわしい小児的な愛国心には失笑を禁じ得ない。
第6巻に収録されているナウシカ族とドルクのナレ人が邂逅する一幕が宮崎氏の
誤った歴史認識を端的に表している。ドルクの眷属であるナレの民は戦乱から逃れ
た惨めな難民であり、心優しきナウシカ族の恩恵により風の谷への移住を許される。
これこそ百済人の日本征服を否定するものだ。新羅に敗れた百済の難民が倭国に
逃れ、帰化したというファンタジーは日本人には心地良いものであろう。しかし、
歴史の真実から目をそらすことは許されない。倭国の野蛮人は百済に支配されて教
化された。古代韓国人は難民ではなく勇敢な植民者であり、偉大な日本の統治者で
あったのだ。恩寵あふれるナレ人のくびきに従うナウシカ族こそ宮崎氏が描かなけ
ればならないものであった。