【朝日社説】3.1独立運動の鎮圧を詳述した宇都宮日記、苦い歴史の貴重な証言だ[03/01]at NEWS4PLUS
【朝日社説】3.1独立運動の鎮圧を詳述した宇都宮日記、苦い歴史の貴重な証言だ[03/01] - 暇つぶし2ch1:テーブルマナー逆バンジークイズφ ★
07/03/01 06:23:43
きょう、韓国は休日である。「3・1独立運動」を記念してのことだ。1919年のこの日、
日本の植民地統治に抗する朝鮮の民衆が立ち上がった。運動は朝鮮全土に広がっていった。
ソウルの真ん中に、かつて「パゴダ公園」と呼ばれた小さな公園がある。この運動の発祥地だ。
気勢をあげる民衆。鎮圧する日本軍。さまざまな場面を描いたレリーフ群が並んでいる。実際は
どうだったのだろう。抵抗を抑え込もうとする軍の行動などを記した大量の史料がこのほど
見つかった。当時、朝鮮軍司令官だった宇都宮太郎大将の日記や書簡などだ。
例えば「堤岩里事件」。日本兵が約30人の民衆を教会に閉じ込め、虐殺し、火を放った。日記は、
そうした事実を認めれば「帝国の立場は甚(はなはだ)しく不利益」になると、軍司令部として
否認を決めた隠蔽(いんぺい)の経緯などをつづっている。宇都宮は武器使用を制限する
訓示を出していた。事件はその宇都宮が知らないうちに起きた。こうした内実が当事者から
詳しく明かされるのは初めてだ。
日本は植民地支配で鉄道や港を整備した。後の韓国の発展につながっていく善いこともした―。
そんなことを強調する人もいる。だが、統治の実態は相手を踏みにじり、生やさしいものではない。
宇都宮日記は、そういう現実の一断面を生々しく物語っている。武力による強硬な植民地統治に
対して批判的な記述もある。当時の軍高官にそんな考え方があったことも改めて確認することができた。
ロンドンに駐在した経験を持つ宇都宮は、アジア発展への強い思い入れがあったようだ。そんなところは、
アジアとの和解や軍縮問題で活躍した長男で自民党政治家だった故宇都宮徳馬氏に継がれたのだろう。
いずれにせよ、当事者による第一級の証言史料である。
近隣の国々との付き合いでは、双方が誠意をもって歴史に向き合うことが欠かせない。だが、歴史には
まだまだはっきりしない部分も残る。その空白を埋めるには、今回のような史料の発掘が大きな
手掛かりになる。これらをもとに、冷静に分析して役立てていく。それも日韓や日中が協力し、
共通の土俵で議論する。そういう取り組みを広げたい。
日韓の専門家らが10年がかりで編んだ高校生向けの歴史共通教材がきょうから店頭に出る。
ひとつの成果だ。政府の肝いりの事業では、02年からの日韓共同歴史研究に続き、新たに
日中間でも同じ作業が始まった。残念なのは、日韓の第2期共同研究がまだスタートできないことだ。
人選の混乱などもっぱら日本側の事情が原因になっているようだ。早く環境を整えてもらいたい。

朝日新聞 URLリンク(www.asahi.com)

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