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非常任理事国:モンゴル辞退 裏に巧妙な日本の外交戦術
来日中のモンゴルのエンフバヤル大統領は、来年行われる国連安全保障理事会の
非常任理事国選挙への立候補を辞退し、日本に立候補の「枠」を譲った。決断の背景には、
友好関係を強調しながら「安保理の苦労」を訴え暗に辞退を迫る、日本側の「奥ゆかしい」
外交戦術があった。
非常任理事国はほぼ毎年、アジアの1カ国が交代するが、07年はベトナム、10年は
インドが出馬表明しており、09年はアラブからの選出。日本は激戦を避けるため、
モンゴルが立候補表明していた08年に的を絞った。
親日国・モンゴルとの選挙を避けるため、日本はモンゴルに立候補を辞退してもらう方針を
決めたが「圧力に屈した形にはできない」(外務省筋)。日本は昨年8月、小泉純一郎首相(当時)
がチンギス・ハンの建国800周年を機にモンゴルを訪問。まずは友好ムードをアピールした。
一方、外務省幹部は昨年10月、ひそかにモンゴルを訪ね政府高官と接触。費用負担の重さなど
を語る政府高官に対し、幹部は「安保理は世界のあらゆる紛争を扱うので大変」などと「安保理の
苦労」を強調した。
結局エンフバヤル大統領は、1月に安倍晋三首相に電話で辞退を表明。ただ、大統領も27日の
国会演説で、モンゴルが目指すアジア太平洋経済協力会議(APEC)参加について「(日本に)
支持していただけると承知している」としっかり念を押した。【田中成之】
毎日新聞 2007年2月28日 3時00分
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