07/02/27 00:07:14 nU45i1lA
>>541
北朝鮮は冷戦時に於ける南北と東西陣営の「緩衝地帯」だった。
なんたって、ヘタに刺激するとソ連や中国を巻き込んだ世界大戦の導火線になりかねない地域だから。
そんな面倒臭い事は双方が嫌がっていたし、次第に明らかになる核兵器の力が、
なおさら双方のガッツを削りつつあった。
良かれ悪かれあの硬直状態は、双方が演出したモノだと言える。
(ユダヤの陰謀とか、アメリカネオコンの演出とか、そー言う話ではない)
あと、1980年代は日本の経済力が急速に増大しすぎて、一時期アメリカから仮想敵国扱いされていた時期でもある。
今みたいに「日本もちゃんとした軍隊揃えて、憲法改正しちゃえばいいJAN」なんて言う好意的なアメリカ人はいなかった。
トムクランシーの「日米開戦」に出てくるような第二次世界大戦生き残りの帝国軍人が復讐心に燃えて、再度大東共栄圏の復活を企んでいるのではないか?
と本気で疑われていた時期でもある。
(中曽根が言った東アジア経済圏や、宮沢が言ったアジア通貨基金が残らずブッつぶされたのもそれが原因。)
朝鮮戦争再発させたら、日本の憲法改正どころか軍事景気まで呼び起こしてしまいまんがなw
というワハハな状況。
この状況下で、少なくともアメリカ側に東陣営とガチで決着をつけようなんて気はサラサラ無かった。
また、東側陣営はソ連も中国もガッタガッタに落ち込んでいた時期でもある。
本来は1988のソウルオリンピックの時がXデーになるのが妥当だったが、いろんな思惑があってオリンピックは無事終了。
(アメリカ艦隊はキチンと日本海に展開していた。)
あとは、北朝鮮の支配者一族が自分たちの繁栄だけを追求していたというのもあるし、
金日成が権謀術数に長けた政治家であり、周辺国のパワーバランスを利用するのがうまかったのもある。
日本にしたって、1988年頃からバブルの終わりに気付いているヤツは沢山いたので(住友銀行の日本橋支店長なんか有名だな)、
せっかくのオリンピックに水を差されたくもなかった。
で、なんだかんだでズルズル半島情勢は引き延ばされる。
そんでもって、冷戦崩壊とブッシュ親父の中東戦争。
半島が出る幕はどこにもなかった罠。
(ただし、ブッシュ親父の中東戦争の頃から、北朝鮮の偽札と武器輸出は問題になってた。)
早い話が('A`)マンドクセな場所だっただけ。
更に言うと、スーパーKがらみでクリントン時代にキュウキュウに締め上げようとしたときもあったのに、
コトもあろうに日本が妨害するという体たらく。
驚異的な偶然と人災的要素の積み重ねで、北朝鮮はかろうじて生き延びてきた。
なお、拉致発覚時において極東スレなどでは「北朝鮮は今すぐ国連に侵攻される」という世論が優勢だったが、
福田和也などの論客は「緩衝地帯的な性格上、2010年くらいまでは解決が絶望的」との予測をしていた。
これは秀逸な予測であったといえる。