07/02/01 06:02:29
【社説】鳥インフル対策、日本は香港の緊張感に学べ
【サーチナの視点】―(23)
日本では宮崎県や岡山県の養鶏場での鳥インフルエンザ感染が、日々大きく報じられている。
宮崎県のケースは2005年に中国・青海省で確認されたものと同系統のウイルスが
原因とされているが、日本は中国の経験と、最近でも野鳥の感染死が見つかっている香港の
緊張感あふれる対策に学ぶべきではないか。
■緊張感ない「お役所対応」に大きな不安
06年春のこと。千葉県内の筆者自宅前の共用スペースにスズメの倍ほどの大きさの
野鳥の死がいが落ちていた。普段は見かけない鳥で、猫などに襲われた形跡もない。
ふと、「香港の街中で見つかった野鳥の死がいから鳥インフルエンザウイルスを検出」
というニュースが頭をよぎり、日本での対応はどうなっているのか気にもなったので、
市役所に電話をかけてみた。
土曜の午前中で、市役所の代表電話の受付は「担当部署が不在のため、追って
電話差し上げます」との返事。昼ごろになってやっと保健担当の部門から電話が
かかってきたものの、事情を説明すると、あたかもこちらを「面倒な市民」であるかのように、
通り一遍な口調で「ご自分で回収してください」と回答した。
「鳥インフルエンザでなくても、何かの感染症の可能性もある。近所には小さな子供も多いし、
ポリバケツをかぶせておくからすぐに引き取りに来てください」とお願いしてみたが、
再び「担当者から連絡させます」との返事。さらに数時間が過ぎてから「明日午前に回収にいく」
と担当者から電話があった。死がいは回収されたものの、かぶせておいたポリバケツはそのままだった。
「やはりお役所対応か」という失望感とともに、日本の行政機関は鳥インフルエンザ対策に
どの程度緊張感を持っているのか、という大きな不安がこみ上げてきた。
■香港の対策に学ぶべき「緊張感と情報公開」
中国大陸では2006年6月までに19人の鳥インフルエンザ感染が報じられ、政府は衛生関連の
報告を行うたびに「我々は責任ある態度で鳥インフルエンザなどの感染症対策に臨んでいる」と
強調している。2002年の新型肺炎SARSの発生・流行で対応の遅さを国際的に非難されたことを
教訓に、少なくとも表向きは情報公開に懸命な様子がうかがえる。
同様にSARS騒ぎによって観光客が激減して経済的に大打撃を受けた香港では、その後も鳥類での
鳥インフルエンザ感染が報じられてはいるが、行政が相当に緊張感を持った対応を行っているため、
市民は冷静に事態を受け入れている。06年末にも繁華街近くで鳥インフルエンザに感染した野鳥の
死がいが見つかったが、パニックは起こらなかった。
「死んだ野鳥を見つけたら?」との市民の問いに対して、件(くだん)の市役所の健康医療課では、
1月29日の時点でも「鳥インフルエンザとは限らないが、ほかの感染症の疑いもあるので、ゴムや
ビニールの手袋をして自分で回収し、可燃物として処理してほしい。処理後にはよく手を洗い、
うがいをするように」と指導している。
>>2-5 あたりに続く。
ソース:中国情報局(サーチナ)
URLリンク(news.searchina.ne.jp)