07/01/31 14:49:26
中国のインターネット事情について、先週、朝日、読売、毎日の3大紙にそれぞれ各様
の記事が掲載された。見出しを並べてみると、以下のようになる。
「中国人の1割 ネット利用者」(朝日、25日付)
「中国主席『ネット世論掌握せよ』、管理強化5項目指示」(読売、26日付)
「中国で台湾紙が読める、一部地域ウェブで『天安門事件』も検索可能」(毎日、26日付)
偶然だと思うが、内容的に随分とかけ離れたものになっている。見出しだけの印象から
いえば、朝日は中立、読売は後ろ向き、毎日は前向きの部分を報じたといえるかもしれない。
いずれも最新情報、事実を伝えているのだが、断片的で、実相を報じているとは言い難い。
◆実相を伝え切れていない各紙の報道
中国のインターネットをめぐる問題は、このように各紙の報道内容が大きく異なるほど、
多様で複雑な側面を持っているということではないだろうか。
朝日の報道では、中国のインターネット利用人口が昨年末の段階で、日本の総人口を
上回る1億3700万人に達した。一昨年末に比べ2600万人増加、利用者は今後さらに
加速的に増加するとの見通しも報じている。だが、この報道では、インターネットの普及・
拡大に伴って中国で起きている問題がまるで伝わって来ない。
これに対して、読売は問題点のみを取り上げた形だ。つまり、胡錦濤・共産党総書記
(国家主席)が、「23日に北京で開かれた党政治局の会合で、各級党組織・政府機関に対し、
インターネットの管理を一層強化する5項目の指示を出した」と伝えている。だが、後で詳しく
検討するように、この指示を「管理強化」という表現で括れるかどうか、疑問が残る。
一方、毎日は、これまで中国当局の規制措置によって、中国大陸から台湾紙のサイト
へのアクセスはできなかったが、対中政策を担当する台湾行政院大陸委員会の発表として、
「中国の一部地域で台湾大手紙『聯合報』と『中国時報』のウェブサイトの閲覧が可能と
なった」と伝えた。中国では「台湾独立」「天安門事件」などの言葉も検索できないキーワード
だったが、「これらの言葉も含む台湾紙サイトの閲覧ができるようになったことは、大きな
変化といえそうだ」とコメントしている。これは同じ日に読売が報じた「管理強化」とは正反対
の方向で、胡錦濤演説から見ると、全体像から大きくかけ離れているといわざるを得ない。
もちろん限られた紙面の中で複雑な事象を表現することは難しいが、1行でも2行でも、
別の側面を盛り込む努力が必要だ。朝日の記事にいたってはデータだけで、ほとんど「穴
埋め原稿」のような処理の仕方であり、何のメッセージも込められていない。
>>2以降に続く
▲ソース:サーチナ中国情報局(日本語)2007-01-30 12:01:20
URLリンク(news.searchina.ne.jp)