07/01/26 22:33:10
【台湾有情】総統府に日本人の軌跡
日本から訪れた知人を案内したついでに、一般参観者に混じって総統府を見学した。取材で内部まで出入りする機
会はあるものの、総統府が観光客や住民に見せる“表の顔”に触れるのは初めてだけに、興味があった。
総統府の裏側にある出入り口では、来訪者はまず金属探知機で身体検査を受ける。カメラのほか携帯電話も持ち込
みは許されず、自動小銃を構えた憲兵があたりに、にらみを利かせている。出迎えてくれた案内役のボランティアは
親日的ないわゆる「日本語世代」で、開口一番、こう言った。
「日本は台湾を植民地にしていない。疫病を一掃し、高いレベルの教育環境を整えたのです。イギリスやフランス
の植民地とは違います」
内部に入って、まず目に飛び込んできたのは、歴代総統を紹介する大型パネル。日本の総督19人の顔写真も総統
と同じ扱いで掲げられていた。解説に耳を傾ければ、社会基盤整備など日本の政策が台湾の発展を促した功績として
熱く語られる。
歴史認識では日本に厳しい中国通の知人は押し黙った末に、別れ際にようやく口を開いた。「戦後、われわれが自
ら封印した日本人の軌跡が台湾では今なお生きていた。しかも権力の中枢である総統府に…。北京ではおよそ考えら
れない」。
総統府の一般開放は週日の午前9時~正午。日本人は旅券が必要です。(長谷川周人)
(2007/01/26 08:34)
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