07/01/04 23:15:55
■【コラム】韓国の個人負債、日本の個人資産(上)(下)
権五奎(クォン・オギュ)経済副首相さま。新年あけましておめでとうございます。
海外の新聞に掲載された新年特集記事を見ていたら、見慣れない単語が一つ、目につきました。
日本経済新聞の1月1日付1面トップ記事の見出しに出てきたその単語は、「イエコノミー」というものです。
日本語の「イエ(家)」と英単語の「エコノミー」を合わせた造語で、「家計経済」といった意味を表すようです。
記事の要旨は、今年の日本経済を動かす鍵となるのは、政府でも企業でもなく、家計、すなわち「個人」
というものでした。何をまた妙なことをとおっしゃるかもしれません。もう少し詳しく紹介しましょう。
2006年現在、日本の「個人」が持っている現金、預金、住宅、土地といった個人資産を合わせると、
その総額は2000兆円に達します。これは日本全体の資産の8割を占め、米国の国内総生産(GDP)
である12兆ドル(約1432兆円)と比べても1.5倍にもなります。
以前なら、このお金は銀行の金庫の中で眠っていたことでしょう。ところがこの数年間で個人の
投資形態が株式・債権・国債・外貨預金など非常に多様化しました。これらの個人が全体として
日本の株式市場を支え、企業に投資資金を供給しながら国庫の不足もカバーしています。
外国為替市場では為替レートにブレーキをかける「介入役」すらこなしていると言います。
「日本は国が裕福なだけで、国民は貧しい国ではないか」と反問されるかもしれません。
しかしそれは間違っています。ウサギ小屋のような狭苦しい家に住み、十数年も同じ洋服を着る
日本人特有の倹約精神がゆえに、外見上の暮らしが「貧しく」見えるだけです。
先日、国連傘下の世界開発経済研究所が国別の家計資産の統計資料を発表しました。
それによると世界でもっとも裕福な国民は米国人でも、ヨーロッパ人でも、中東産油国の国民でもなく、
日本人でした。日本では1人当たりの資産が18万1000ドル(約2160万円)にもなります。
これは米国の1.3倍、ドイツ・フランスの2倍にあたります。
先に紹介した日本経済新聞の記事も、この金持ち国民が経済の中心に立ち、市場を動かし、
企業を変化させ、国を動かすようになるべきだというものでした。本当にうらやましいとしか
言いようのない話です。
韓国では新年早々、個人負債や個人破産の増加が懸念されています。全国民が不動産バブルに
巻き込まれたこの数年間で、個人負債は計559兆ウォン(約 71兆6000億円)にまで膨らみました。
ここで住宅価格が急落して金利が上がれば、家計を直撃することでしょう。そうなれば融資した
金融機関だけでなく、韓国経済全体が危機に直面します。
お隣の日本では、有り余る個人資産をどうやって経済の各分野で活用するかについて悩んでいるのに、
韓国では個人負債の「時限爆弾」におびえながら新年を迎えているのです。いったい韓国経済はなぜ
こんな状態になってしまったのでしょうか。
副首相は新年の経済目標を発表し、その中で「マクロ経済の安定を図る」という発言を繰り返しましたね。
成長率、輸出、物価、失業率といったマクロ指標の安定に努めるということでしょう。しかし今、国民が望んで
いるのはそんなことではないと思います。「経済は好調だが、それが民生にまで及んでいない」といった
言葉遊びはもう終わりにしなければなりません。輸出は好調だが雇用が増えていないという話も、
もう聞き飽きました。
政府や企業のマクロ指標が良くなっても、家計が厳しければ、国民にとっては何の意味もありません。
国民が望んでいるのは、負債で首が回らなくなった家計にてこ入れし、停滞している民生レベルの経済が
循環するようにしむけることです。
今年、韓国経済は不動産市場のバブルやウォン高、北朝鮮の核問題、世界経済の低迷など、
内外で難問が山積しています。年末には大統領選挙も行われます。副首相には気をしっかり
引き締めて韓国経済を守るようお願いします。そして何よりも民生を中心に経済を考えてほしい
という国民の願いを忘れないで下さい。
朝鮮日報/朝鮮日報JNS 記事入力 : 2007/01/04 19:01
URLリンク(japanese.chosun.com)
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