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「安倍氏秘書が見返り金」、放火事件公判で検察指摘
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2006年07月12日23時01分
山口県下関市で00年、安倍官房長官の自宅や後援会事務所などに火炎瓶が投げ込まれた事
件で、非現住建造物等放火未遂などの罪に問われた指定暴力団工藤会系の元組員地蔵原知
哉被告(27)に対する論告求刑公判が12日、福岡地裁小倉支部であった。検察は地蔵原被告
に懲役10年を求刑。犯行の経緯について、99年の下関市長選の際、安倍氏が推した候補を
支援した土地ブローカーに対し、当時の安倍氏秘書が300万円を工面したが、ブローカー
はさらに安倍氏本人に金を要求。安倍氏が応じなかったため、暴力団と共謀して報復した
と述べた。
論告で検察は、土地ブローカーの小山佐市被告(68)=同罪で公判中=が「安倍議員の地元
秘書佐伯伸之氏(現・下関市議)と交際していた」としたうえで、「市長選で安倍議員が支
持する候補者を支援して当選に寄与したとして、佐伯秘書に対し、絵画の買い取り名下に
現金500万円の支払いを要求し、300万円を工面させた」と指摘。その後も「安倍議員に面
会して金員を要求したが拒絶されたため恨みを抱いた」と述べ、親交があった工藤会系組
長の高野基被告(56)=同=と共謀して犯行に及んだと主張した。
佐伯氏は工面した300万円について「公判中なのでコメントできない」、下関市の安倍事
務所は「公判の中身を確認できないので、コメントは差し控えたい」と話している。
起訴状によると、地蔵原被告は高野被告らと共謀。00年6月から8月にかけて5回にわたり、
下関市の安倍氏宅の車庫付き倉庫や後援会事務所などに火炎瓶を投げ、駐車中の乗用車を
燃やすなどした。地蔵原被告は捜査段階では容疑を認めていたが、法廷では起訴事実を否
認している。