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移籍は「優勝争いしたい」からだけではなかった…
●「あの人を外してください」
「金本さんとまた同じユニホームを着て戦えるとは、夢にも思っていなかった」
FAで阪神への移籍が決まった新井貴浩(30)は、こう言って新天地での“兄貴”の
存在を喜んでいた。
“師弟愛”―。新井が阪神への移籍を決断した根拠として、多くのマスコミは
金本の存在をクローズアップした。実際、新井と金本は広島時代から同じジムに通い、
プライベートでは実の兄弟のように付き合った。師弟関係を築いてきたそんな兄貴分の
存在が、阪神移籍の重要なファクターの一つになったのは確かだろう。
だが、FA宣言の会見で「つらいです。カープが大好きなんで……」と号泣した
新井の胸の内には、それとは別の思いも膨らんでいた。
「あの人を外してください。あの人がいたら、チームはいつまでたっても強くなれない。
僕をとるんですか? あの人をとるんですか?」
新井がFA宣言する直前のこと。広島との交渉の席で球団幹部に何度も強く迫ったという。
「“あの人”とは、今季2000本安打を達成した生え抜きスター選手の前田のこと。
前田は、両足アキレス腱を断裂した影響で、走塁は緩慢、打てないときはブスッとして、
時に当たり散らすこともあるため、ベンチの雰囲気が一気に悪くなる。
今年は野手のキャプテンに指名されたが、ベンチから声を出すこともしない。
ブラウン監督が就任し、若い戦力が着実に根付きつつあるのに、ひとりの大ベテランが
いるために、その歯車がかみ合わない。練習熱心でチームプレーを重んじ、全力プレーを
心がけている新井は、独り善がりの前田の存在はチームが長年Bクラスに低迷する
元凶だと考えていたのです」(球団関係者)
以下略
TITLE:ゲンダイネット
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