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ド派手なガッツポーズがＪ１昇格のサインだった。３分のロスタイムが過ぎて終了の笛が響くと、
ラモス監督は両拳を突き上げ、苦楽をともにした柱谷コーチと体をぶつけて喜びを分かち合った。
「やっぱりオレはここ（東京Ｖ）に来るべきだった。これがオレの宿命だから。昇格は９９％間違いない」。
０６年１月の就任から、約１年１０カ月。険しい道のりの末に歓喜の瞬間にたどり着いた。
今季を象徴する苦しい試合だった。前半１１分に船越が右足で先制も、一瞬のスキを突かれて
３６分に失点。その後は愛媛の猛攻にタジタジとなるシーンもあった。だが、後半３４分に船越が
勝ち越し弾。出場停止のフッキに代わって船越を先発起用した采配が的中した。１試合を残して
第４節以来の首位に立ち、３位京都との勝ち点差は３。得失点差で１２も上回るため、３季ぶりの
Ｊ１復帰は決まったも同然だ。
１年でのＪ１復帰を目標に掲げた０６年は７位と惨敗。年俸大幅ダウンを受け入れて臨んだ今季も
名波、服部、フッキら大型補強をしながら、序盤に７連敗するなど苦戦した。
「髪の毛は薄くなってヒゲも白くなった」。４月には解任危機に陥り、９月１５日には最愛の母マリアさんが
心不全で亡くなった（享年８２）。それでも母国ブラジルに帰ることなく指揮を執り、守備を立て直して
チームを上位へ押し上げた。
現時点で来季の去就は微妙だ。萩原社長は「監督のことはこれから話し合う」と白紙を強調しており、
クラブ内にはラモス監督との契約を延長せず、アドバイザー的な役職で活躍してもらいたいとの
意見も強い。本人は勝てばＪ２優勝が決まる１２月１日の最終戦Ｃ大阪戦まで去就問題を封印。
「昇格だけじゃなく、優勝を狙いにいきまっせ」と声を張り上げた。
２６日で屈辱の降格から丸２年。Ｊ２制覇という最高の形で、名門復活のシナリオを完結させる。
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