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エネルギッシュな男性群舞、哲学や思想も表現する独創的な作品群でバレエの歴史を
変えた、20世紀最大の振付家、モーリス・ベジャールさんが22日、スイス・ローザンヌの
病院で亡くなった。80歳だった。
同日、日本の関係者に連絡が入った。
フランス・マルセイユ生まれ。14歳でバレエを始め、フランスや英国、スウェーデンの
バレエ団に参加して、様々なスタイルのダンスに触れて、独創的な振り付けのヒントを得た。
才能が開花したのは、男女同数のダンサーが野生的なエネルギーを爆発させた、
1959年の「春の祭典」。女性中心でおとぎ話に基づく踊りが主流だったバレエ界に
衝撃を与えた。翌年に20世紀バレエ団を設立し、「ボレロ」「第九交響曲」など、
ざん新な作品を次々と発表した。
言葉を使わないバレエは「様々な世代や国籍の人間が地球全体の問題について、
同時に考える空間を創造出来る」というのが持論で、枠に捕らわれない創作活動を
展開した。演劇やオペラとバレエの融合、神話的イメージの導入、ロックの使用、
古典バレエの読み直しなど多彩な作品を発表。愛と憎しみ、生と死などの命題を
バレエで表現した。
日本文化への造けいも深く、「仮名手本忠臣蔵」に基づく「ザ・カブキ」、三島由紀夫から
イメージを得た「M」、六代目中村歌右衛門にささげた「東京ジェスチャー」といった
作品も残した。主宰するバレエ団の公演や、東京バレエ団の振り付け指導などで
何度も来日している。
昨年12月には80歳の誕生日を祝う記念公演がスイスで開かれ、最新作
「ダンサーの人生」を発表した。
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
▽東京バレエ団の主演級ダンサー、高岸直樹さんの話
日本人として初めて「ボレロ」のメロディーを踊らせてもらうなど、常に実力以上の役を
与えられてきた。ベジャールさんに世界のひのき舞台という赤い円卓に載せられ、
育てていただいたようなもの。仕事には厳しく、普段は慈愛に満ち、父親のような方でした。
指導を受けた者として、その遺産を21世紀に引き継ぎたい。
URLリンク(mainichi.jp)