07/11/15 23:26:44 0
かつて、ボクサーのあこがれは「あしたのジョー」の矢吹丈だった。今は「はじめの一歩」の幕之内一歩だ。
89年に始まった物語はなお続き、「ボクサーのバイブル」のような存在だ。
作者の森川ジョージは17歳で漫画家デビューしたが、連載は失敗続き。「『ジョー』は超えられないと思い、
ボクシング漫画はできなかった。でも、最後は好きなものをやろうと、禁断のジャンルに踏み切った」。
23歳の時、一歩が生まれた。
物語は、一歩が高校の同級生からいじめられる場面で始まる。少年院出身という設定の丈とは対照的だ。
「当時は最初からスーパーマンという漫画が多かった。作家として非力な自分を投影し、頑張っていこうよと
思える主人公にした」
特徴はリアルさだ。タイソン、輪島功一らの技も数多く登場。一歩の必殺技「デンプシー・ロール」は20世紀前半の
名王者ジャック・デンプシーから取った。一方でギャグも織り込み、悲壮感は抑えた。
「実際ボクサーと夜通し遊んだりすると底抜けに明るいから」
今、森川は「JB SPORTS」ジム会長も務める。15年前、親しい選手から相談されたのをきっかけにつくった。
試合でセコンドに入ると、対戦後に相手から「いつも読んでます」「先生の前でいい試合を見せられずにすみません」
と言われることもある。
89年は1200人だったプロボクサーは06年に3200人。日本ボクシングコミッション(JBC)事務局長の安河内剛は
「一歩の影響は間違いなくある」。連載開始時はゼロだった日本人の現役世界王者も今は4人いる。
>>2-以降に続く