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大会に向けて最終調整に入った谷ら全日本チームの練習を鋭い目で2階のテラスから眺める
一人の男がいた。ブラジリアントップチーム(BTT)の寝技のコーチであるパウロ・カルーソ師範
その人だ。カルーソ氏はミノタウロの異名を取り初代PRIDEヘビー級王者のアントニオ・ホドリゴ・
ノゲイラやビクトー・ベウフォートら日本でも有名な総合格闘家の師範でもある。
BTTのセコンドとして4度の来日経験のあるというカルーソ氏は日本通として知られる。全日本
チームが大会前練習場として借りた場所が、カルーソ氏の柔術道場がある体育館だったこともあり、
早速師範が訪れたというわけだ。
カルーソ氏はこの日、まず無差別級代表・棟田康幸に接触。練習後、棟田に対し「ブラジリアン
柔術をしたらもっと寝技が強くなるぞ」と直接スカウトを行った。突然の指導に棟田も最初は
戸惑い気味だったが、すぐに「ボクらは去年、ブラジル合宿でブラジリアン柔術を習いました」と
意気投合。まんざらでもない様子で話に聞き入った。
実際、男子を率いる斉藤仁監督は早くからブラジリアン柔術に着目していた。昨年6月のブラジル
遠征では柔術道場を回り「ボロボロにやられた」(鈴木桂治)。鈴木をはじめ泉浩など代表候補選手に
数多くのケガ人を出したというマイナス面もあったものの、男子の寝技技術は明らかに上がった。
だが、前回の05年世界選手権カイロ大会で金1つに終わった全日本女子は未経験。特に最終日
(16日)に出場する女子48キロ級代表・谷亮子にとって今回はママでの世界初挑戦となる。
長男佳亮くん(1)を出産、2大会ぶりの世界選手権とあって、数々の偉業を達成してきた谷でも
厳しい戦いが予想されている。そんな谷にカルーソ氏は「ぜひヤワラちゃんにも教えたい」と
キッパリ。柔道を極め「一人の相手に対し試合展開は1000以上のやり方を考えている」と
豪語する谷は、柔道家としてはほぼ完成している。伸びしろを求めるとすれば、それは柔道の
外にしかない。未知のブラジリアン柔術注入はメリットが大きく、谷の最強伝説再構築への
足がかりとなるだろう。