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黒澤明監督の名作「天国と地獄」と「生きる」が初めてテレビドラマ化された。8、9日2夜連続で見た
周囲のオジサンからは、「なかなか良くできていた」「脇も含め出演陣の顔ぶれがしっかりしていた」など、
おおむね好評だった。
「天国と地獄」(8日)は、意地悪く見れば、舞台を小樽に代えたことで、観光PR的なニオイが
しなくもなかったが、むしろ、ツッコミたくなったのは、妻夫木聡(26)演じる誘拐犯を、刑事たちが、
潜行して追いつめる場面。
「北一硝子」のオシャレな売店で尾行する伊武雅刀(57)演じる道警の部長刑事。上下白の
スーツに、スキンヘッドで執念に燃える表情はいいが、どう見ても捜査中なのがバレバレなのだ。
まぁ、それもエンターテインメントとしてはニヤリと楽しめる範囲。平均視聴率も、20.3%(関東地区、
ビデオリサーチ調べ)と高かった。
ところが、制作したテレビ朝日は手放しで喜べなかった。「生きる」(9日)の方が、11.7%と
思ったほど伸びなかったからだ。
「作品の完成度に差があるとは思えない」という制作サイドの意見には、うなずける。題材が
地味だからなのか。小生は、「生きる」の方が、胸にグッと迫るものがあった。
公開中の映画「HERO」では型破りな検事、久利生公平(木村拓哉)の前に、厳然と立ちはだかる
大物弁護士を演じている松本幸四郎(65)。「生きる」では一転、余命を賭して公園作りに奔走する
市役所課長を鬼気迫る表情で演じ、幅の広さを見せつけただけに、もっと数字が伸びてもよかった。
それにしても、「天国と地獄」に描かれる“格差社会”と、「生きる」のモチーフである“事なかれ
公務員”。テーマがまったく色褪せないのは、皮肉なことだ。
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テレビ朝日|黒澤明ドラマスペシャル
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