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ゴールまで2キロあまり、最後の力を振り絞って歩く選手を悲劇が襲った。
世界陸上大阪大会第8日の1日、男子50キロ競歩で起きた誘導ミス。
厳しい暑さの中、3時間48分をかけて“ゴール地点”にたどり着いた
山崎勇喜選手(23)(長谷川体育施設)に突き付けられたのは、「途中棄権」で
記録なしという過酷な現実だった。
沿道やスタンドで声援を送っていた観客からは「かわいそう」「残念でならない」と同情の
声が上がる一方、「こんなことで負けないで」「北京五輪を目指して頑張って」とエールが送られた。
問題の場面は、レース最終盤の48キロ直前。周回コースの最後の1周に
さしかかったところ、係員が誤って競技場内に誘導した。中盤でメダル争いをしていた
山崎選手は、34キロ以降に大きくペースダウンしていた。中盤には1キロを4分前半だった
ペースが、47キロまでの1キロは5分44秒まで落ちていた。
すでに足取りもふらつき、視線も定まらない状態だった山崎選手は、係員の導くまま
競技場内へ。直後に係員も山崎選手の後を追ったが、すでに競技場内に入ってしまった
山崎選手を周回コースへ呼び戻すことは出来なかった。ゴールラインを越えたところで
倒れ込んだ山崎選手は、ぼう然とした表情。そのまま担架で運ばれていった。
山崎選手を指導する日本陸連の鈴木従道コーチは、給水所から山崎選手が競技場に
入るのを見て、後を追った。しかし、すでに百メートルのスタート地点に
入ってしまっていたため、呼び戻すことをあきらめた。
ゴール後、医務室に駆けつけた鈴木コーチに対して山崎選手は、「(自分は)
何番ですか」と聞いたという。鈴木コーチは「後で話す」とだけ言って、医務室を出た。
鈴木コーチは、「厳しい歩きだったが、あの順位をキープできれば北京五輪代表だった。
あまりにかわいそう。競技役員はしっかりして欲しい」と、怒りをあらわにしていた。